●鶴橋駅に到着した様子
藤原:JR環状線の鶴橋駅に来ました。アートなまちの探検隊に参加しているみなさんが、続々と到着して来ています。今日は総勢10名いらっしゃるようです。みなさんが乗っている自転車はかなりコンパクトで、色はオレンジや黒、 水色などさまざまですが、形は同じです。貸し自転車のようですね。ここからは、自転車を押しながら歩いて国際市場に向かって、お昼を食べることになっているようです。私も一緒について行こうと思います。
●スタジオ
藤原:一緒に歩いていて本当に楽しかったです。みなさん『うえまち貸し自転車』の自転車を借りていました。幹線道路はもちろん、細い路地も通るので、桃谷、鶴橋周辺の日常の様子なども分かりました。途中にすごくいいにおいがするところがあったので、「どんなお店があるのかな?」と思ったら、朝鮮学校の小学校だったのです。運動場を使ってイベントをされていて、そこで焼き肉をやっていたんですよ!
松本:学校の校庭で?
藤原:校庭に、たくさんの人が集まっていました。そこで豪快に焼き肉をしていて、夜店や屋台のようになっていました。鶴橋周辺の商店街にも、おいしそうなものがたくさんあって、お店では「味見して行ってー!」って呼んでもらったりしました。本当においしそうで、ある店では、キュウリのキムチが1本丸ごとドン、ドン、ドン、ドンって積み重ねてありました。
松本:豪快にね。
藤原:また、すごく奇麗なチマチョゴリもあって、薄いピンクや水色など、色が華やかでした。本当に素敵な町を歩かせていただきましたね。お昼前、ちょっと一息つく前に参加者の方にお話を伺いました。
藤原:今日はどちらからのご参加ですか?
女性:京都から来ました。
藤原:空堀から自転車で走って来て、どうでしたか?
女性:お天気が良くて、とても快適な“タウンクルージング”という感じで、楽しかったです。
藤原:京都にお住まいでしたら、この辺りを自転車で走ることはないですよね?
女性:まずないですね。
藤原:上町台地は、坂も多かったのでは?
女性:そうですね。高低を楽しむという意味でも面白かったです。
藤原:何か発見はありましたか?
女性:空堀界隈のことは、噂では聞いていたんですが、非常に楽しそうな小さな空間で、面白いところがたくさんあったのがとても印象的でした。
藤原:まだまだ、これから後半もありますので、ポイントを見つけて、録っていってください。
女性:頑張ります。
藤原:今日はどちらから来られたのですか?
男性:奈良から来ました。
藤原:自転車で今、空堀から走って来ましたが、いかがでした?
男性:田舎の道のような抜け道などが結構あって、古風な感じですごく楽しかったですね。
藤原:奈良と似た雰囲気のところはありますか?
男性:また違った雰囲気ですね。それがすごく楽しかったです。
藤原:普段、大阪市内を自転車で走ることはありますか?
男性:いやー、滅多にないですね。
藤原:今日、走ってみてどんな発見がありましたか?
男性:建物などを見ていて、すごく面白かったですね。何というか奈良とは全然違う古さがあって、味があるなっていうのを感じました。
藤原:今日一番の目的の“音”ですが、いい音は録れましたか?
男性:まだ聞いていないので分からないのですが、いろいろなところへ行って音を拾って来たので楽しみにしています。
藤原:コリアのお料理はお好きですか?
男性:あまり食べたことがないので、ちょっと楽しみです。
藤原:歩いて来る時に、すごくいいにおいがしていましたね。
男性:焼き肉のにおいがしていたので、今、すごくお腹が減っています(笑) 。
藤原:ありがとうございました。後半も頑張ってください。
男性:はい。ありがとうございます。
藤原:今日の企画を主催しています『上町台地からまちを考える会』事務局長の山口洋典(やまぐち ひろのり)さんにお話を伺ってみましょう。“町を歩いて再発見していこう”という企画は結構ありますが、今回は歩くのではなく自転車でということですね。どうしてまた自転車で町を探検してみようと考えたのですか?
山口:私たちの会は『上町台地からまちを考える会』という名前の通り、上町台地を活動のエリアにしています。上町台地は、起伏に溢れた町です。“町歩き”も確かにいいのですが、それを“町走り”に変えてみると、起伏豊かな台地の形をもっと知ることができ、意外と簡単に遠くまで行けることなど、発想が広がります。歩くだけでは見つけられない新しい魅力にも出会えるのかなと思い、この“町走り”を企画してみました。
藤原:まずは前半が終りましたが、みなさん、何か発見されたような手応えはありますか?
山口:“町歩き”だとすぐに足を止めて見ることができます。でも、自転車だと、ブレーキをかけて止めて見る部分と、走りながら見る部分と、いろいろな町の見方があるのかな、ということを最初から思っていたのです。実際に今、感想を聞いてみると、町を走り抜けていく中で、ちょうど電車の車窓のように風景がどんどん変わっていくようなところを楽しんでいただけているようです。
藤原:企画に関して、いろいろ大変なこともあったと思いますが、今回のポイントのようなものがあれば教えていただけますか?
山口:そう言われて改めて気付いたのですが、今回は機材がバラバラなんですね。使用法などもバラバラです。準備の時には、同じものを集めよう、新しく買ってみようと、思っていたのですが、みなさんに楽しんでもらえれば、そんなに機材にこだわらなくてもいいのかな、という気がしました。今回の企画は、奈良の福祉施設や立命館大学に機材をお借りしたり、同志社大学や京都大学の学生さんに協力してもらったり、いろいろな人たちが参加しています。参加したものが、何かを共に作っていく。そういう面白さにも出会った気がします。
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みんなの足となる自転車
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今日の主役“テレコ”
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国際市場の中を進む
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朝鮮学校の校門前
焼肉の煙とにぎやかな音楽に足を止める
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『コリアNGOセンター』の
宋悟(ソン オ)さんによるガイドも
しっかり録音
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コリアタウンの入り口
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細い路地を行く
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町の解説に力が入る宋さん
一見平凡な道が、面白い!
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『上町台地からまちを考える会』
代表の山口洋典さん
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