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〜後半〜
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(後半)

●スタジオ

松本:大阪は比較的平坦な町なんですね。だけど、その中で多少アップダウンがあるのが、この上町台地の辺りなんですよね。

藤原:そうなんです。大阪の中でも、ちょっと違った雰囲気を感じ取ることができるのですね。

松本:なんで自転車なのかな?と思ったのですが、歩くのとはスピード感が違うわけですね。

藤原:遠方の方も結構いらっしゃったので、普段生活をしていない町を自転車で走る、という新鮮さもあったかなと思いますね。自転車ですから行動範囲も広くて、入ってくる情報量も本当に多くなります。

松本:気付かずに通り過ぎてしまう場所もあると思いますが、それはそれでいいんですね?

藤原:そうなんです。全て直感ですね。
楽しい昼食の後、天王寺区にあるお寺・應典院(おうてんいん)まで、自由ルートで戻りました。應典院は、劇場型の本堂ホールや研修室、オープンスペースなどがあるユニークな文化施設として親しまれているところです。往路は全員が同じ道だったのですが、復路は3グループに分かれて、それぞれ好きな道を通るということで、録る音や発見などもそれぞれ違ってくるのではないかと思います。それでは、應典院に全員が帰ってきて、録ってきた音を聞きながら振り返る様子を、お聞きください。


『異文化、交流の家』で一休み

参加者の到着を待つゴールの應典院




(振り返り会の様子)

男性1:とりあえず、聞いてもらいましょうか。

♪ジュー ジュー♪

男性2:石焼ビビンバを食べている音です。

♪ボン ボン♪

男性2:これは、団子屋さんで団子を買った時に録った音です。この“ボーボー”という音は、団子を焼いてるところで湯気に近づけていたので、多分それだと思います。

男性1:食べ物ばっかり(笑)

♪シャー♪

男性3:上本町7丁目の大きな交差点の一角に、“水と緑と大地”というテーマで大阪市が造ったモニュメントのようなものがあります。そこに流れている水に近付いていって、その音を録りました。

♪カラン〜 チキチキン♪

女性:そこからもう少し行ったところに、『生野まつり』の猪飼野のだんじりが来ていました。この音は子どものだんじりです。なかなか楽しそうで、茶色の可愛らしいはっぴを着て、練り歩いていました。

♪ ♪ ♪

男性4:いろいろな商店街に行ってきました。そこでの音を、どれだけうまく録れるか、1分という限られた時間の中にドラマを生み出せるか、ということを考えて録りました。そこには、ほとんど偶然性しかないんですが、それをちょっと試してみました。これは一条通商店街、勝山北5丁目12番地の辺りです。聞こえているのは基本的に子どもの遊び声と車が通過して行く音ですが、それが音楽的に聞こえて来るはずなんです。


“録りたて”の音を聞く参加者

振り返り会の様子
録ってきた音に耳を傾ける



(参加者にインタビュー)

藤原:お疲れさまでした。今日はどちらから参加されたんですか?
男性1:阿倍野区の三明町です。

藤原:結構、お近くですね。普段はこの辺はよく通りますか?
男性1:通ります。

藤原:行きと帰りは、違うルートだと思うのですが、どの辺りを中心に回られましたか?
男性1:にぎやかさに関係なく、いろいろな商店街を回りました。

藤原:どうして、商店街にこだわってみようと思ったんですか?
男性1:他のいろいろなところの音と区別がしやすくなって、音の違いが分かりやすいと思うので、コンセプトを決めてみました。

藤原:どうも、お疲れさまでした。


藤原:今回はどちらから参加されたんですか?
男性2:京都大学から山口さんに誘われて来ました。

藤原:今日はいかがでしたか?食をテーマにして、食べ物に関する音を中心に録られたようでしたけど。
男性2:見るほうに集中してしまって、おいしそうなもののところに行っては、「じゃあ、音も録っとけ!」という感じに少しなってしまいましたね。

藤原:思うような音に出会えましたか?
男性2:思うような音がどんなものか、あまりイメージできていなかったので、面白そうだなというところで、いっぱい録って来ました。

藤原:今日1日参加して、得たことはありますか?
男性2:音を捉えることの面白さとか、上町台地という場所の面白さとか、そういうものを感じました。

藤原:ありがとうございました。


(山口洋典さんにインタビュー)

藤原:今日の『上町台地アート・ツーリズム2006』を終えられまして、まずは、感想をお聞かせいただけますか?
山口:二つあります。一つは疲れたなっていうこと(笑)。もう一つは、雨が降らなくて良かったなっていうこと。自転車で回りますから、雨が降ったらアウトだったんですよね。みなさん疲れたと思いますが、最後に面白かったと語っていただけたのが嬉しかったですね。

藤原:主催者として、みなさんにどのように楽しんでいただけたと感じていますか?
山口:まず音を録ること自体を楽しんでいただけたかなと思います。同時に「あの時もうちょっと、こうして録っておいたら良かったかな」っていう気持ちもあって、その悔しさがまた町に出る意欲をかき立てたかな、と思います。お互いの悔しさを共有できたことも面白かったですね。

藤原:山口さん自身も参加者として、音を録られたと思います。何か印象に残ったことなどはありますか?
山口:10月1日に新しくできた大衆演劇の劇場があって、そこは面白かったですね。劇場のほうもできたばかりなので、多くの人に知ってほしいと思ってやっている。ただ、向こうの人は私たちのことは知らないわけです。同じ自転車が3台キュッと止まって、いきなり、おもむろにレコーダーを出すのですから、なんだこの人たちは?ってことになる。でも、何だかわからない中で、お互いに話をしながら通じ合っていくというところが印象的でした。

藤原:主催者ということで、あらかじめこういうものがあるというポイントも、もちろんご存じだと思うんですけれども、その10月1日にオープンした大衆演劇の劇場には、絶対行こうと思っていたのですか?
山口:たまたま巡っていたらそこに出会ったという感じです。まさに出会い。音の偶然性に物語を見い出した感じですね。

藤原:実際にみなさんと一緒に自転車で参加してみて、こんなはずじゃなかったのにという、予想もしてなかったことはありましたか?
山口:意外と地図の情報に左右されるな、という気がしましたね。地図を見て、ここは遠そう、といったことにも左右されますし、場所を決めてから、そこまでどういうふうに行くのか、地図にある情報から探してしまっていました。カーナビゲーションが最近は一般的ですが、それと同じですね。こういう場所に行きたいといった目的別の探し方を人に聞くのではなくて、わりとみなさん、地図で選択していたような気がしました。

藤原:「さあ、自由に回ってください」と言われても、どこから行っていいのかって、難しいですよね。
山口:それは実際、そうですね。今回は地図を先にお配りしましたので、どうしてもそこから探そうとしてしまったのかもしれません。

藤原:みなさん、個人的にデジカメをお持ちの方もいらっしゃったりして、写真も撮られていましたね。
山口:携帯電話のカメラで撮っている人も多かったですね。

藤原:今回の大きなテーマ、“自転車”と“音”ということですけれども、録った音は、どこかで発表するような機会はあるのですか?
山口:はい。まずは今日の素材をサウンドアーティストの方にお預けすることが決まっています。“成果リレー”と呼んでいるのですが、オリンピックの“聖火”リレーではなくて、“成果”をリレーして行くという意味で“成果リレー”と呼んで、今回の成果をまたどこかに持って行きたいと思っています。

藤原:『上町台地からまちを考える会』として、今後の活動予定を教えてください。
山口:2週間に一度、ゲストを招いてトークサロンを行っています。またホームページも充実させていく予定です。今日のように町に出て行くというイベントもいいのですが、家にいながら町に出て来たように思える、ということもあっていいのかなと思っています。具体的には、ウェブサイトで、クリックするとそこの音が流れてくる。例えば2007年の音や1950年の音など、クリックすると、その時代の、その時の音が出てくる。そういうことをやっていきたいなと思っています。少なくとも今回集めた素材は、そういう形で提供していきたいです。

藤原:同じ場所でも、年代によって全然違うものになりますね。
山口:そうですね。

藤原:そういうものを、どんどんためていきますか?
山口:ぜひそうしたいです。昔のものはもう作れませんから、8ミリのフィルムなど、もしどこかに残っていたら、それをお寄せいただきたい、ということも考えています。

藤原:どうもありがとうございました。お疲れさまでした。
山口:ありがとうございました。



●スタジオ

松本:石焼ビビンバの音とか、いろいろな音、面白いですね。

藤原:コリアタウンで石焼ビビンバを売ってたんです。私も多分、食べたら音を録っていたと思います。

松本:山口さんがおっしゃっていましたが、ここに何かがあるからという音の録り方もあるのですが、意味のない音を並べるというのもいいと思いますね。

藤原:そうなんですよ。何でもない普段の日常の音をみんなで聞いて、こんな音もあんな音もある、というふうに、音から状況を想像するっていうのも面白いです。

松本:例えば、いろいろなところで子どもの遊び声ばっかり録ってつないだら、面白いと思いますよ。

藤原:面白いでしょうね。

松本:別にそれを録りたいと思っていなくても、いっぱい録ったら、そういった音は入ってくるんですね。

藤原:そういったテーマを決めて、どんどん録りためていくのも面白いですね。

松本:工事現場の音でも、この建物ができる前はこんな音がしていたとか。工事中はこんな音、そして例えば以前そこには川が流れていたとすると、こんな音だった、ということもできます。いろいろストックがあれば、音で歴史を語ることもできますね。

藤原:どんどん発想が展開していって面白いですね。

松本:やっぱり音というのは、創造力をかき立ててくれますからね。

藤原:今回は、10月22日に行われました上町台地アート・ツーリズム2006『アートなまちの探検隊〜ダイチの裾のの音風景』の模様をご紹介しました。


● 取材を終えて、感じたこと

テレコを持って“音”を録りに自転車で町に出る!
コリアタウンや上町台地は面白い地域でもあるので、様々な音があって面白かったです。
普段は何気なく耳にしていることでも、集中して聞くとストーリー性があるし、新たな町の発見にもつながったのではないでしょうか?
学校の課外授業などでやっても、子どもたちが喜びそうな企画ですね。

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