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   南都詣と伊勢参りの十字路            
 

奈良豆比古神社のところの道標
 再び村田さんと京街道を北へ。般若寺から5分ほど歩くと「奈良豆比古(ならづひこ)神社」があり、道に面して何か建っています。
「南は春日の大仏、東は伊賀・伊勢路であることを示す石の道標です。1kmほど東にある大きな道標にも伊賀・伊勢街道であることが記されており、この辺が街道筋だったことが分かります。西の平城宮址方面から伊勢へ参る時も、この道を通りました」

  この奈良豆比古神社はどんな神社なんでしょうか。
「土地の氏神さんである平城(なら)津彦神、施基親王(田原天皇)、その皇子の春日王の三社が祭られています。神社に伝わる能・狂言面が20面あり、10月8日の宵宮(よみや)の夜に奉納される『翁舞』が国の重要無形民俗文化財になっており、衣装や面、笛や鼓などの楽器は、平素、奈良国立博物館に預けてあります。また、神社の例祭の日に、60歳以上の男性がここで食事をする伝統行事が伝わっています」
 
   紙より軽い不思議な石
 
奈良豆比古神社
 奈良豆比古神社から車で3分ほど北、奈良阪町高座へ来ました。
「昔、法然上人がここで説法をされたので、その場所を『高座』といいます。法然上人は東大寺大仏殿復興の時に導師として招かれ、念仏の教えを『南無阿弥陀仏』という説法で終わったため、それを不満とする僧兵たちがここで追いついて抗議をすると、上人は念仏の重さの証拠を見せてやろうと、紙片に『南無阿弥陀仏』と書いて傍らの大石とてんびんに掛けました。すると、石が軽くて飛んでいったといわれています。この石は『念仏石』と呼ばれています」
    



念仏石が祭ってあるお堂
 京都府木津町のお堂にその「念仏石」がありました。紙より軽くて飛んだのに、横幅は2m以上ある大きな石です。
「大きい石ですね。子供の時分、この石は毎年大きくなるんだと聞かされたんですよ。高座から空高く舞い上がったとする説もありますが、下り坂のために転がってきてここで止まったんだと思います」


細い京街道が旧国道24号になり、今の国道24号が出来、さらに京奈和自動車道が出来ています。最新の道へとつながった京街道、ぜひスニーカーをはいて歩き回ってください。