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   電柱の見えない坂道   <法観寺(八坂の塔)の地図はこちら>

 

八坂通(夢見坂)

 東山区で最も美しい坂道との呼び声が高く、とても人気があるのは、八坂の塔へと続く坂道です。非常に緩やかな石畳の道で、懐かしくも新しい感じがします。その理由は電柱がないためです。電線類の地中化は、国土交通省や自治体が推進していて、京都でもあちこちで実施され、歴史的な都市景観がぐっとアップしています。
 八坂の塔がある法観寺のご住職、浅野全雄(ぜんゆう)さんに、この坂道についてお伺いしました。正式な名称はあるんでしょうか。
「現在は八坂通と言いますが、元々は法観寺坂と呼ばれていました。しかし、近年は『夢見坂』と名付けられたようです。八坂の塔は聖徳太子が如意輪観音の夢のお告げで創建したお寺で、太子は都が京都に移るという夢見をされ、江戸時代にはここに夢見地蔵尊が祭られたことにちなんで、夢見坂となったんです」



塔の中の仏様
 太子の時代は、まだ京都に都も清水寺もありませんでした。
「八坂の塔は、この一帯の飛鳥白鳳時代の古代寺院の一つで、今では遺構が残っているのはここだけになりました。『八坂』は坂が多い地という意味もありますが、飛鳥時代の古代語で『ヤサーカ』、魂の安らぐ場所という意味です。山城(京都)の聖域とされ、たくさん建てられた寺の中でも最初に建立されたのが八坂の五重塔です。聖徳太子が最初に建てた塔であり、589年の創建と伝わっております」
 電柱も電線もない坂道が奇麗です。
「もう10年ぐらいになります。商店会の方々が中心になって進めましたが、実際は地中化は難しく、電柱を左右に振り分けて見えないようにしています。ただ、八坂の塔から東は、今度地中化しようという動きがあるようです。石畳敷いただてけでは景観は保てません。住民の方々の並々ならぬ努力で、いい景観が出来上がっています」



  法観寺
 ■拝観時間/10:00 〜16:00
 ■拝観料/400 円
 ■TEL/075-551-2417
  *不定休

   比叡への道「きらら坂」   <きらら坂の地図はこちら>

 

きらら坂  左が「穂出野」
 東山から北上し、左京区の「きらら坂」を歩きました。比叡山が見え、修学院離宮や萬殊院がある落ち着いた所です。きらら坂は比叡山に通じる坂です。叡山電鉄一乗寺駅から白川通を渡って東へ、宮本武蔵の決闘で知られる一乗寺下がり松を左に行くと、きらら坂に入りますが、少し上がると昔ながらの家に「きららつけ」の提灯がかかっていました。雲母漬老舗(きららづけしにせ)「穂野出(ほので)」です。ご主人の田邉正さんに伺いました。
「そこの下がり松から京都市内へ行く道が京道、うちの前を通って比叡山へ上がる道が『きらら坂』。比叡山へ上がる人が京都市内から歩いて来て、ここで休憩して、また山へ上がる。雲母漬は一服する時にお茶請けに出しておったんです。お茶請けにはこのナスが一番ええ。小さいほどええ味が出る」
 親指の先ほどのナスを味噌に漬け込んであります。
「まあ一つ食べてみなさい」
 味噌の味が広がり、みずみずしくておいしい。この辺りは昔、比叡山の僧侶や花を売る白川女(め)が行き来していたのでしょう。京都の市街地から離れていますが、昔ながらの雰囲気が味わえます。


きらら坂を北上し、比叡山の登山口に来ました。「親鸞聖人御旧跡・きらら坂」と刻まれた石碑が建っています。京都市内北部が眼下見えて、中心部とは違った里の風景が広がります。家の造りも全然違います。