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大阪市内で楽しむ、風情ある石畳の坂道
今回は久しぶりに大阪市内の道を歩いて楽しむことに決めました。ただし、道といっても坂道。ちょっと大変かと思い、ウォーキングシューズをはいてきました。



  出発点は「いくたまさん」   
 

「いくたまさん」こと生國魂神社

 今回の起点、大阪市天王寺区の「いくたまさん」は、谷町九丁目交差点の南西にあり、松屋町筋、谷町筋、千日前通りに囲まれています。天王寺観光ボランティアガイド協議会の柳原勝さんと、副会長の藤村国基(くにき)さんに、ガイドをお願いしました。
「上町台地を東から西へ下る坂が六つと、南から北へ下る『真言坂』で『天王寺七坂』。さらに『学園坂』を入れて八つの坂を回ります。7kmぐらいで、2時間半から3時間のコースです。上町台地を北から出発する場合は『いくたまさん』、南の場合は『一心寺』がスタート地点です(柳原さん)」



真言坂

 出発前に「いくたまさん」について、権禰宜(ごんねぎ)の中村文隆さんに伺いました。
「生玉神社の社名は、正式には『生國魂(いくくにたま)神社』ですが、大阪の人はは親しみを込めて『いくたまさん』と呼びます。神武天皇が九州から今の大阪城あたりに上陸し、生島神(いくしまのかみ)と足島神(たるしまのかみ)を祀って国の安泰を願ったのが始まりとされています。昔はあそこが大阪の陸の最南端でしたが、その後、大阪城築城時にここに移ってきました。昔は神仏習合で生國魂神社の中に『十坊(10寺)』があり、そのうち北側の六坊が真言宗だったため、六坊に挟まれた坂を『真言坂』というわけです」

 その真言坂の下から見上げる眺めは風情があります。
「坂の頂上の神社の裏門には、天満橋近くの八軒屋から移設した灯ろうが2基座っております。高さは大体3m。赤い門も奇麗ですね(柳原さん)」


  源聖寺坂の「こんにゃく八兵衛さん」  
 

源聖寺坂

 生國魂神社西側の松屋町筋に出て南に下ると、左は寺、寺、寺。その一つ源聖寺の南の坂は真言坂よりも古い感じの石畳で、右側にカーブし、途中から石段の坂になっています。ここが「源聖寺坂」です。
「昔は正面の民家がなく、右側が土塀ですごく風情がありました。今は『いくたまさん』に祭られている『源九郎稲荷』が坂の上にあり、上の人が黒門市場で買い物をして歩いて帰る途中、急に荷が重くなったように感じて、『ああ、またタヌキさんがつきはった』と思う。また軽くなったと思って家に帰るとこんにゃくがない。『こんにゃく八兵衛さん(タヌキ)』が取りはったと考える。でも、八兵衛さんにお願いをすると歯痛が治るというので、みんな許したといわれています。稲荷なのになぜタヌキかは分かりません(柳原さん)」



学園坂

 源聖寺坂の頂上の左手には齢延寺(れいえんじ)があります。
「上町かいわいでは古いお堂したが、改築されて、ハイテクを駆使した座敷が完成。坐禅をする場合は、全自動で椅子席が移動します(柳原さん)」

 5分ほど南へ歩くと、谷町筋の大きな交差点に出ました。
「ここは『学園坂』といって天王寺七坂の“8番目の坂で(笑)。昔は途中までしか道がなかったんですが、物資輸送に使うためか、戦争が始まる直前ぐらいに新しくできた坂です。下に『大阪厚生学園(現・大阪女子学園)』があったので『学園坂』になりました(柳原さん)」