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小野小町が倒れた山里の「坂道」
今回は丹後半島の6町が合併してこの4月に誕生した、京丹後市を目指します。旧京都府中郡大宮町、現在の京丹後市大宮町は、天橋立のある宮津市の北西に位置し、小野小町最期の地という伝承が残る町です。



  新しい道、続々建設中  
 

京都縦貫自動車道

 舞鶴若狭自動車道を北上中です。西紀(にしき)SAで人気の黒豆パンを食べ、新緑がまぶしい中を快適にドライブしています。今、小浜西インターまでの舞鶴若狭自動車道は、敦賀まで延びる予定。また、通過した春日町には春日ジャンクションができて、北近畿豊岡自動車道とつながります。これは豊岡まで行く道で、途中の和田山までの区間が既に工事中です。
 綾部ジャンクションに差しかかりました。ここから京都縦貫自動車道に入ります。この道が出来て、天橋立方面は大江山越えをしなくてよくなりましたが、反対の京都方面も工事が進んでいて、現在、綾部安国寺インターまで開通。あとは、綾部安国寺・丹波インター間と沓掛・大山崎ジャンクションが開通すれば、久御山ジャンクションまでつながることになります。そうなると、大阪方面から日本海へは、中国自動車道から舞鶴若狭自動車道を通るルートと、名神高速道路から京都縦貫自動車道に入って京都府内を楽しみながら抜けていくルートの、二つから選べるようになります。


  小町が救い、小町をみとった山里 
 

小町公園にある小野小町の墓
 京都縦貫自動車道終点の宮津天橋立インターから20分で、京丹後市大宮町の中心部へ。そこから山を越えて10分、穏やかな山里、五十河(いかが)地区の「小町公園」に来ました。庭園が整備され、シバザクラやタンポポが咲いています。京都SKY丹後観光ガイドの上田重和さんに伺いました。素晴らしい所です。
「大きな山が見えますが、ブナの原生林になっていて、そこから清流が流れてきます。これからの時期はホタルが飛び交い、カエルも鳴く、いい所です」

 小野小町最期の地という伝承について伺いました。
「小町は福知山から天橋立への旅の途中、五十河の上田甚兵衛宅に滞在し、一緒に天橋立へ向かいましたが、長尾坂を越える途中で腹痛になり、甚兵衛さんが背負ってここへ連れ帰り、看病しましたが亡くなったということです。小町は『九重の 花の都に住みはせで はかなや我は 三重にかくるる』という辞世の歌を残しています。長尾坂はここにあるお墓から2kmほどの所にあって、後に『小野坂』と名付けられました」


心が癒される五十河の里

 五十河の地名も小町と関わりがあるようです。
「小町が来た時、五十河は火災が多かったんです。当時は『五十日』と書いていたため、『日』は『火』に通じるから『河』に改めたらいいのではと小町が助言すると、火災はなくなりました。他に安産の指導もし、村人は恩義を感じてこのようなお墓を建てました。『小野妙性大姉』と法号が付いています。亡くなった後、小町を訪ねて都から男性が来ましたが、墓前でその事実を知って一晩中泣き崩れ、翌日には彼も亡くなったそうです。後で深草少将だと分かりました。少将のお墓は山のふもとの『岡の宮』にあります」



黄金の小町像
 公園内にある「小町の舎(やかた)」は小野小町に関する展示施設で、平安時代風の建物です。寝殿造りに欠かせない池があり、舞台も造られています。中に入ると小町の黄金の像が迎えてくれます。
「小町の伝説にまつわる化粧椀や丹後七姫(小町もその一人)など、この地に関わりのある物が置かれています。また、全国の小町に関する伝承のある場所が、地図で示されるなどしています」
 小町が「五節の舞姫」に選ばれたころから、青春時代、晩年までがジオラマで再現されるなど、興味深い物がたくさんあります。
 

  小
町の舎
 ■開館時間/10:00 〜16:00
 ■入館料/大人200 円、小中学生100円
 ■休館日/毎週水曜日*祝日の場合は翌日
 ■TEL/0772-64-5533