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春の串本で魚とトルコに出会う
3月は「花つ月」とも「桜月」ともいいます。この名前を聞くだけで春を感じる時期、今回は一足早く春本番を味わうべく、南紀へと向かいます。目的地は、本州最南端の町で、意外な国際交流があった和歌山県串本町。海と歴史が待つ南紀へのドライブです。


国道42号(日置川町)
 天保山から阪神高速湾岸線に乗って南下、りんくうジャンクションから関西空港自動車道に入って、阪和自動車道に出ました。そのまま、海南湯浅道路、湯浅御坊道路、そして再び阪和自動車道を走り、和歌山県南部(みなべ)町に入りました。この後、終点のみなべインターで降り、国道42号で串本町を目指します。この阪和自動車道は今後、白浜町まで延び、その後さらに、すさみ町まで行く予定です。
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 青い空と青い海が広がる南紀に来ました。国道42号で、みなべ町、田辺市、上富田町、そして白浜町を走り、日置川町に入ったところです。この後、すさみ町、串本町と続きます。国道42号は、いわば“現代の大辺路(おおへち)”。海岸沿いに険しい山越えの道が続く熊野古道の大辺路ルートは、枯木灘を楽しむ文人墨客がよく利用し、ここ日置川町では「安居(あご)の渡し」で日置川を越えたようです。低く張り出した岩に白波が寄せているのが、いい感じです。

   「海中公園」第一号            <国道42号の地図はこちら>
 

海中展望塔から見る海の眺め
 みなべインターから約1時間40分、「串本海中公園」に来ました。ここは周辺に広がるマリンリゾートの代表的施設でもあります。串本海中公園センター学芸員の宇井晋介さんに伺いました。場所は海の中、「海中展望塔」から見るサンゴ礁や魚は信じられないほど奇麗です。
「初めて来た人は驚きます。水深は6.3mですが、今日は潮が引いているので4m台でしょう。この展望台は沖に140mぐらい出たところにありますが、割と遠浅で水深は浅いんです。サンゴの生息地は浅い所なんです」


海中展望塔
 水槽の中に入ったみたいに、魚がいっぱいいます。
「30年以上、毎日餌をやっていますから、今は餌がなくても集まってきます。ここは釣りも漁も禁止で、魚も安全な場所を知っていて集まります。一番多く見るのはメジナ(グレ)で、数百匹います。好奇心が強く、宝石や携帯電話などの光ものが好きで、窓からのぞきにきます」

 ところで、「海中公園」というのは何か定義があるのでしょうか。
「海中公園は国立公園や国定公園の“海版”です。1960年代に『海中公園センター』が出来た時に、日本で数十カ所が海中公園に指定されました。その第一号が串本です。クシハダミドリイシというテーブルサンゴの世界最北の大きな群落があったためです」

人気の水族館 ナポレオンも見られる
 これからの季節、この周辺にも見どころがいっぱいです。
「浜に出て遊ぶなら、橋杭岩や潮岬、大島ですね。うちもやってますが、5〜6月には串本からものの30分も船で行けば、マッコウクジラに会えます。日本ではマッコウクジラが見られる海は少ないんですが、船の横、触れるぐらいのところまで来ます。あまり近くて、びっくりします。15m以上のが何頭も来ることがあります」

 今、特別展「もう一つの熊野古道 海の街道大辺路を行く」が開催中です。
「大辺路は熊野古道のうち田辺から串本を経て那智へ行く道で、大辺路に伝わることわざや民話に関する海の生物を展示しています。例えば、150kgにもなるイシナギという魚は、弘法大師がその存在を伝えたという話があります。昔、和深という漁村に、身なりの貧しいお坊さん(弘法大師)が泊めてほしいとやって来たので、村人が親切に泊めると、翌朝、漁獲量が少なくて村が困っていると知った彼が、1里ほど沖に出れば大きな魚が取れると教え、実際に非常に大きな魚が取れたという逸話です。イシナギは、オオナ(大魚)とかタイシウオ(大師魚)とか呼ばれています」


  串本海中公園

 ■入場料/大人1050円、小中学生650円、
         3歳以上の幼児200円
 ■営業時間/9:00〜16:30 *入場は16:00まで
 ■特別展/「もう一つの熊野古道 海の街道大辺路を行く」
         5月8日(日)まで開催
 ■TEL /0735-62-1122