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   幻の大阪国技館
 
大阪国技館跡のあった所
 京街道を外れ、「七曲がり」から南東へ徒歩20分、城東区古市2丁目、城北川東側の団地に来ました。実はこの団地、ある建物の跡地に建てられています。なんと、大阪国技館!国技館が大阪にもあったのです。「大阪国技館跡と元相撲茶屋」の看板も建てられています。この大阪国技館についても、事前に大阪歴史博物館の飯田直樹さんに伺っています。
「『大阪国技館』は、昭和12年3月、今の大阪市城東区古市2丁目1に造られたといわれています。鉄筋コンクリート4階建てのドーム式の建物で、建坪約3千坪、収容人数が2万5千人で、今の両国国技館より1万ほど人多く収容できました」



説明書も設置されている
 そこで「大阪場所」が開催されていたのでしょうか。
「厳密には『大阪大場所』と言われていましたが、昭和12年に国技館が完成し、その年の6月9日を初日にして、大日本相撲協会(日本相撲協会の前身)が開催しました。横綱になったばかりの双葉山が、後に69連勝となる記録を更新中の時期で、この場所は大変人気がありました。大阪は江戸時代から相撲が盛んで、独自の『大阪相撲』があり、『江戸相撲』、『京都相撲』と合同で江戸時代から興行していました。今の大相撲のルーツです。大阪相撲は昭和初めに東京相撲と合併しています。なお、『大阪大場所』は昭和15年まで計7回開催されましたが、翌年の日米開戦で国技館も軍事工場や倉庫に転用され、戦後は進駐軍に接収されました。そして、進駐が終わる昭和26年ごろに解体され、28年に大阪府立体育館で『大阪場所』が再開されて今日に至っています」

かつて相撲茶屋だった建物
 周辺もにぎやかだったようです。「国技館の北側の通りには、お客さんが休憩して飲食していく『相撲茶屋』が多く建てられていました。その2階は力士の宿泊施設として使われていて、今も一部の建物が残っています」

 大阪歴史博物館では、大相撲大阪場所に合わせて「大阪相撲の歴史」が開催されます。

 特集展示「大阪相撲の歴史」
■会場/大阪歴史博物館
■展示期間/3月9日(水)〜4月4日(月)
■期間中の休館日/毎週火曜日
■入館料/大人600 円、高校生大学生400 円、中学生以下無料
*常設展示、特集展示とも見学可能
■TEL/06-6946-5728



現在、京都と大阪を結ぶ国道1号が慢性的な渋滞のため、第二京阪道路が造られていて、門真〜枚方東間が建設中ですが、完成しても大阪市内から門真に出るいい道がないため、建設中の阪神高速淀川左岸線を門真まで延ばす構想が浮上しています。淀川左岸線延伸部です。市民が計画段階から参加する「PI(パブリック・インボルブメント)」によって、今回歩いた都島区や城東区などを通るルートが、今、検討されています。この延伸部が出来ると、淀川左岸線、阪神高速湾岸線、近畿自動車道、建設中の阪神高速大和川線による巨大な環状線が完成し、また、淀川左岸線から門真を経て第二京阪道路へ入るルートは、21世紀の京街道となります。