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   くずの老舗                   

 
 

黒川本家の工場

 大宇陀町は吉野くずの産地。老舗中の老舗「吉野葛本舗・黒川本家」は、旧松山地区の有名な町家でもあります。生産工程を見ましたが、掘り出したくずの根を細かく裁断し、井戸水に漬けて絞り、一昼夜放置するとでんぷんが沈殿します。何度も水を換えて沈殿させると、塊になった表面に不純物が浮かぶので、それを包丁でこそぎ落とし、中の奇麗な部分だけをまた水に溶かすという作業を繰り返します。これをどれぐらい繰り返すのでしょうか。12代目当主の黒川重之さんに伺いました。
「5回ぐらい行います。だから、大体10日間ぐらいかかるわけですけど。最後の乾燥は室内で約2ヶ月、根の切り出しから出来上がりまで70〜80日かかります」



建物も有名な黒川本家

 不純物を取り除く作業で大切な点は何でしょう。
「水温が低いことと、水が良質であること。これがくずをさらす条件で一番大事なことです。冬の寒い時期にしか、くずは製造できません。くずはマメ科の植物ですので、イソフラボンなどが入っており、女性のホルモンバランスの安定によく、また葛根湯(かっこんとう)と言うように風邪に対する抵抗性もあります。お腹こわしてもくず湯を飲むなど、家庭の常備薬みたいな形で食されてきました」



   温泉自動販売機             
 
道の駅「宇陀路 大宇陀」

 松山地区の南、国道166号と国道370号の交差点に道の駅「宇陀路 大宇陀」があります。大きな町家風の建物です。駅長の武川龍太郎さんに伺いました。物販とレストランがあります。
「この辺りはくずの産地ですので、吉野くずに関する製品を多く置いております。別棟では、朝から農家の方たちが土の付いた農産物を持ち込んで安く販売しています。『れすとらん甘羅(かむら)』では、宇陀牛を使った肉料理、そして、近くに全国三大薬園の一つ『森野薬草園』があることから、予約で薬草料理も出しています」

 


温泉スタンド
 他にないものがあります。
「温泉の自動販売のことでしょう。ガソンリンスタンドの給油感覚で、近くの温泉の湯を40リットル100円で販売しています」

  道の駅「宇陀路 大宇陀」
 
  ■営業時間/特産品販売9:00〜19:00
   新鮮野菜直売所8:00ごろ〜16:00 ごろ
   れすとらん甘羅(かむら)11:00〜21:00
 ■定休日/年末年始
   レストランは毎週水曜日も休み
   *祝日の場合は翌日
 ■TEL/0745-83-0051



  雨と馬との不思議な関係                    

 
 

丹生川上神社中社


  国道166号を東に走り、吉野杉の古里、村の95%を人工林が占める東吉野村に入りました。高見川のほとりにある丹生(にう)川上神社中社で、権禰宜(ごんねぎ)の中村徹さんに伺いました。
「ここは水をつかさどる罔象女神(みずはのめのかみ)をお祭りしております。数々の雨乞いや、逆に雨止めのお祭りが記録に残っています」



拝殿にある馬の絵馬
 拝殿にある絵馬には、白と黒、二頭の馬が描かれています。
「平安時代の延喜式に、京都の貴船神社とこの神社は、普通の供え物以外に、雨乞いの際は黒毛の馬、雨止めの際は白毛の馬を奉れと定められています。生きた馬の代りに、ある時代にはワラの馬を奉納し、今は絵馬を奉納します。電力や水道関係の方のお参りが多ございます」




国道166号をさらに東へ走り、高見トンネルを抜けると三重県です。高見山は標高1200m以上あり、高見峠は地滑りが多くて、1983年のトンネル開通前は大変だったようです。しかし、開通後は奈良と三重の人々の交流が盛んになったそうです。