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第二阪奈道路で今年最後の紅葉狩りへ
前回に続いて紅葉(もみじ)を楽しみます。今回は今月から来月にかけて盛りを迎える、遅い紅葉地をドライブします。目指すは奈良県。とっておきのお寺をセレクトして訪ねます。


   時がゆっくり流れる            <第二阪奈道路の地図はこちら>
 

不退寺
 阪神高速東大阪線から第二阪奈道路に入り、トンネルを抜けて奈良市内に出ました。最初に訪れたのは、平城宮跡から1kmほど東にある「不退寺(ふたいじ)」です。国道24号のすぐ東にあり、門を入ると右に池、向こう側に山、正面に本堂があって、サザンカも咲きこぼれています。副住職の松村圭崇(けいしゅう)さんに伺いました。
「正式には『金龍山不退転法輪寺』といい、在原業平朝臣(あそん)が青年時代に過ごしたことから、『業平寺』とも呼ばれています。創建は承和14(847)年、平安の初めです。元は、第51代平城(へいぜい)天皇が14年間余生を過ごした、かやぶきの御所の跡といわれています」


不退寺本堂
 東にはなだらかな山があります。
「佐保山、奈良山、黒髪山で、全体のことも佐保山と呼んでいます。平城天皇は奈良が好きで『奈良の帝』といわれ、第1皇子の阿保親王の第5男が、『伊勢物語』で有名な在原業平朝臣で、847年、阿保親王と平城天皇の菩提を弔うため寺を建立したとされています。本尊は観音様の元の姿である聖観音菩薩で、業平朝臣の自作といわれ、『業平観音』とも呼ばれています」

 境内には紅葉(もみじ)や花があふれています。
「紅葉(もみじ)は11月下旬から12月初めが見ごろですが、今年は少し遅れると思います。うちはあまり知られていない穴場ですよ」


   不退寺(業平寺)
  ■参拝時間/9:00〜17:00
  ■拝観料/大人400 円、
    高校生・中学生300 円、小学生200 円
  ■TEL/0742-22-5278

   日本清酒発祥地は紅葉の名所
 
正暦寺本堂
 国道169号を天理市に入る手前で東に折れて山を登ると、菩提仙川に沿って棚田が続き、さらに登ると紅葉(もみじ)並木が出現。その奥に「正暦寺(しょうりゃくじ)」があります。執事の田沼純空さんに伺いました。
「正暦3(992)年、一条天皇の勅願で摂政藤原九条兼家が創建し、息子の兼俊僧正が別当住職を務めました。当初は80有余の塔頭(たっちゅう)、百有余の建物を有する大伽藍(がらん)でした。その後、東大寺や興福寺などが焼かれた南都焼き討ちで、興福寺の祈願別院であり、藤原家の祈願所として真言密教を行っていた正暦寺も焼かれてしまいました」

正歴寺は日本清酒発祥地
 途中に「日本清酒発祥之地」の石碑がありました。
「清酒の元となる、清酒(すみさけ)や諸白(もろはく)と呼ばれた酒の収入で栄え、最盛期には120の塔頭がありました。1400年代半ば、興福寺に酒の売り上げを納めた記録があり、前後何百年か栄えたのでしょう」

 見事な紅葉(もみじ)の木がそろったのは、いつごろなのでしょう。
「江戸時代、お坊さんたちが菩提仙川をはさんで桜とカエデを植えたという話は聞いています」

 上にある本堂の仏様は秘仏のようです。
「本尊は秘仏で普段は収蔵庫に祭られていますが、この時期、本堂に出張ご開帳して祭られています。白鳳時代の薬師如来像で国の重要文化財です。腰掛けた倚像(いぞう)、足の下に二つのハスの花を置いた『踏割蓮華(ふみわりれんげ)』、日本の仏像では少ない正式な衣の着け方である『偏袒右肩(へんたんうけん)』が特徴です」
 

  正暦寺
 ■拝観時間/9:00〜17:00
   *12月〜2月は16:00まで
 ■本尊開扉/4月18日〜5月8日、
   11月1日〜30日、12月22日(冬至)
 ■拝観料/大人400 円、小学生200 円
   *本尊開扉期間は大人500 円、小学生250 円
 ■TEL/0742-62-9569