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   極早生(わせ)から蔵出しまで

 

下津町の山にはミカンを保存する土壁の蔵が点在

 次に下津ミカンの味の秘密を、下津町農業振興協議会会長の田中守さんに伺いました。
「下津ミカンは、まず9月下旬、約30年前に下津町の宮本善次さんが発見した極早生(わせ)の『宮本早生』が出ます。10月に入り『上野早生』、下旬から『宮川早生』や『興津早生』が熟して早生ミカンがピークになります。11月中旬からは中生(なかて)の『向山温州』、12月から年末は晩生(おくて)の『大津4号』や『紀の国』、『丹生系温州』など甘みの多い品種が出回ります。さらに、1〜3月ごろまで貯蔵して、JA下津のブランド『蔵出しミカン』として北海道や東北、関西などに出荷します」

美しい下津港
 ミカンに適した気象条件を伺いました。「今年のように8月ごろから乾燥して光がよく当たる日が続くと糖度が増し、気温が高いほど酸味が早く減ります。ミカンの味は糖分と酸味のバランスで決まり、糖分は10%以上で甘く感じます。酸味は8月に最高の4%程度になってから下がり、9月には2%以下になります。酸味の食べごろは1.3%以下です。今年は気温が高かったため酸の下がりが進み、宮本早生は9月下旬、他の極早生も今が食べごろです」

 おいしいミカンの選び方を教えていただきました。「同じ種類のミカンなら、平べったい形をしていて、皮は薄くオレンジ色が濃いもの、ヘタは黄味が強くて細い方がいいですね。保存する場合は、日が当たらず15℃前後の低温の方が、果実の呼吸による消耗が少なくて長持ちします。温州ミカンはビタミンA、B、Cのバランスが良く、機能性成分のβクリプトキサンチンを含んでいます。世界に誇る日本特有の果物です」

   ミカン畑で、う〜ん甘い!

 

試食したミカン畑
 ミカン畑で一足早く極早生ミカンをいただくことにしました。JAながみねの土田喜代光(きよてる)さんに、黄色く色づいているのを取ってきていただきました。
「これが上野早生です。今日、半日かけて探してきました」

  ヘタの方はまだ青い感じですが、お尻のところが黄色くなっていて、いい香りで汁がほとばしります。中は普通のミカンです。
「極早生は外見に青みが残りますが、中はおいしいんですよ」

 う〜ん甘いっ!
「いけますか?」

 甘さの中に、さっぱりした香りがします。キャラクターの「bun chan」と「しもつみかん」「和歌山県産」の刻印が目印です。
「『bun chanミカン』で売り出しています」


最後に山に登ってきました。山頂近くにもミカンの木がありますが、山の上から下まで点々と土壁の蔵があり、ここでミカンを保存し、蔵出しミカンとして出荷しているそうです。次はそのミカンも食べてみたいですね。