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播磨自動車道を通って「SPring-8」へ!
今回訪ねるのは播磨科学公園都市。兵庫県が整備を進めている播磨科学公園都市は、県南西部の新宮町、三日月町、上郡町の3町にまたがっています。21世紀の科学技術の発展を支える学術研究機能と先端技術産業を集め、しかも快適な住環境や余暇の機能をも備えているこの町に、どんな最先端科学の世界があるのでしょうか。




播磨自動車道
 中国自動車道から山陽自動車道に入り、兵庫県龍野市を走っています。中国自動車道も山陽自動車道もジャンクションが多く、いろいろな高速道路とつながっていますが、高速道路はネットワーク化するとそのパワーをより発揮します。山陽自動車道と播磨自動車道とのネットワークもそのひとつ。播磨自動車道は昨年3月に部分開通した約13kmの高速道路で、龍野市の播磨ジャンクションで山陽自動車道とつながっていて、今後、山崎町で中国自動車道に接続する予定です。作用町と鳥取市を結ぶ鳥取自動車道と併せて中国横断自動車道としても機能し、全線開通が待ち望まれますが、途中の播磨新宮インターまでの部分開通にも大きな意義があります。播磨新宮インターが、播磨科学公園都市へのアクセスインターになっているからです。 

<播磨自動車道の地図はこちら>

   がん治療の最先端
 

照射治療室
 播磨ジャンクションから10分、播磨新宮インターを下りて坂を登ると、播磨科学公園都市中央部の交差点に出ます。そこから約5分で、「兵庫県立粒子線医療センター」という病院に見えないような病院に到着。菱川良夫院長にお話を伺いました。
「粒子線治療は粒子線を使うがん治療です。粒子線は広い意味で放射線の一種です。放射線を大別すると粒子線と電磁波になり、電磁波の代表はX線で、粒子線は治療に都合のいい性質を持っています。従来の放射線治療が治癒困難ながんも対象にしているのに対し、粒子線治療は治るがんに限定し、根治治療を目指します。とくに、頭頸部、肺、肝臓、前立腺のがんに効果的です」


ホテルのような病室
 粒子線治療のメリットは何でしょう。
「放射線は体を突き抜けますが、粒子線は体内で止まるため、正確にがんに当てることができます。コンピューター画像で周囲の正常な組織を避け、粒子線をがんだけに照射するわけです。がんが体の真ん中にある場合、放射線治療だと、がんより手前の正常部分により多く放射線が当たってしまいます。場合によっては倍ぐらい当たり、患者さんには辛い治療になります。一方、粒子線なら、がんの背後へは全く当たらず、手前もがん部分より少ない量で済みますので、副作用はほとんどありません」

 治療はここでしか受けられないのでしょうか。
「粒子線治療には巨大な加速器が必要で、特別に粒子線の治療装置を設置した病院でないと治療できません。世界に24カ所、日本には6カ所ありますが、そのうち病院としては5カ所、西日本ではここだけです。粒子線の施設は甲子園球場のグラウンド部分を占めるほどの巨大装置で、粒子を光の70%の速度まで加速して体内に入れます。1回の治療は数分で終わり、痛くもかゆくもありません。入院中にゴルフやテニスもできます。ただ、すべてのがんに効くわけではなく、骨や脳に転移した全身治療が必要なケースには向いていません。手術と同じ局所治療であり、手術が高齢でできない人や手術をしたくない人などに役立つ医療です。治療費は大体300 万円です」



    ■問い合わせ
  兵庫県立成人病センター放射線医療室へ/
       TEL.078-929-1339
  または下記をご覧ください
  兵庫県立粒子線医療センターホームページ