「大峯奥駈道」は厳しい修行の場 今年7月、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録され、「スペイン巡礼の道」に次ぐ“世界遺産の道”第2号が誕生しました。その道は、熊野参詣道、高野山町石道、大峯奥駈道(おくがけみち)ですが、今回は唯一の番組未取材の大峯奥駈道を目指します。とはいえ、この道は標高千数百mの山々の尾根伝いに延びる命懸けの山岳ルート。どこまで行けるかはよく分かりません。
阪神高速道路から阪和自動車道、そして南阪奈道路に入りました。今年3月開通の南阪奈道路は、美原ジャンクションから大和高田バイパスにつながる奈良県新庄町までの約17kmの道です。同じ3月、やはり大和高田バイパスにつながる大和・御所道路の大和区間一般部の一部も開通し、大阪中南部と奈良中南部および和歌山を結ぶ道路網が充実。今年6月に行われた開通3ヵ月の効果測定調査では、八つの交差点の慢性的渋滞が大幅に改善され、全体で約4 割も渋滞が減ったことが分かっています。
吉野から熊野までの大峯奥駈道は、距離にしてどれぐらいでしょう。 「200kmはあるでしょう。吉野から熊野まですべて山の中で、八経(はっきょう)ヶ岳は標高1915mと近畿で一番高い“近畿の屋根”です。修行では、吉野川で体と心を清めて山に入り、険しい岩場や千尋(せんじん)の谷がある場所をあえて行きます。今度、12泊13日で熊野に入る途方もない修行が計画されています。宿泊所が少ないため、『前鬼(ぜんき)』というところからは、体力や大峯修行の回数などから判断して人数を30人程度に絞り、熊野に向かいます」 大峯奥駈道が実質的に開放されるのは9月までとのこと。 「5月3日の『戸開け式』で大峯山山上ヶ岳の大峯山寺の戸が開き、9月23日まで開いています。その間だけ山上本堂にお参りができます」
喜蔵院から車で15分ぐらい林道を登り、青根ケ峰に到着。少し歩くと大峯奥駈道の表示がありました。石碑もあり、「従是(これより)女人結界」と書かれています。女性はこの先へ行けなかったことが分かります。 ここへ来る途中で、金峯山寺(きんぷせんじ)蔵王堂に立ち寄りました。1952年建立の蔵王道は有名ですが、本尊の金剛蔵王権現像は400年以上も奥深くに祭られている秘仏です。その秘仏が今、世界遺産登録記念で特別開帳中です。三体あり、顔は怖いのですが、肌は慈悲の心を表す青黒色(しょうこくいろ)。慈悲の心で私たちを怒ってくれ、魔を説き伏せるという権現様です。 金剛蔵王権現像特別ご開帳 ■期間/2005年6月30日まで ■特別拝観料/大人500 円、 中高生300 円、小学生200 円 ■拝観時間/8:30〜16:30