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   歴史の重要スポット     <小野の地図はこちら>

 

国道161号

 東塔から奥比叡ドライブウェイに入り、西塔、横川を巡りました。比叡山は桜の名所でもあり、奥比叡は八重桜が奇麗でゴールデンウィークが見ごろだそうです。

 奥比叡ドライブウェイ終点の仰木ゲートで下りて少し走ると、琵琶湖大橋西詰めの堅田に出ます。そこから国道161号を北上し、JR湖西線小野駅と和邇(わに)駅の中間辺りを山側に入ると、「小野神社」と「小野篁(たかむら)神社」があります。滋賀県志賀町小野。この地名でピンと来る古代史ファンもいるかも知れません。ここは日本史を語る上での重要スポットです。



左が小野神社、右が小野篁神社
  滋賀県志賀町教育委員会生涯学習課の小熊秀明さんに伺いました。
 まずは珍しい和邇の地名について。
「飛鳥時代にこの辺りで栄えた和邇部(わにべ)氏という豪族に由来しています。また、小野については、聖徳太子の時代に遣隋使として活躍した小野妹子が住んでいたという記録があります。和邇部氏と小野氏は同じ祖先を持つ同族ですが、妹子の活躍で小野氏が筆頭格として栄えたようです。一族は製鉄技術に秀でていたという説もあり、妹子は大津市方面の『漢人(あやひと)』という渡来人が住む地域に通って、さまざまな技術や知識を習得し、それが遣隋使への大抜擢につながったと考えられています」


美しい森の中にある小野神社
小野神社は小野一族を祭っている神社なのでしょうか。
「小野神社の他、小野篁神社、小野道風(とうふう)神社など、それぞれを祭った神社が近辺に点在しています。小野神社の祭神は、『日本書紀』と『新撰姓氏録(しんせんしょうじろく)』に登場する天足彦国押人命(あまたらしひこくにおしひとのみこと)と米餅搗大使主命(たがねつきのおおおみのみこと)です。米餅搗大使主命は応神天皇の時代、我が国で最初に餅つきをした人物だと小野神社の由緒記に記録されています。秋には『粢(ひとぎ)祭』という神事が2回行われ、10月は菓子組合主催の祭典、11月は地元の氏子で行う催事です。10月はお菓子をお供えにし、神事が終わると集落に配っています」

 周辺は歴史散歩の道も整備されています。
「和邇駅から小野駅の間、約3kmにわたって、遺跡や神社を回るコースがあり、妹子以前の時代の古墳群もありますし、重要文化財の小野篁神社や小野道風神社では珍しい建築様式を見学できます。妹子の墓といわれる唐臼山古墳は公園として整備され、古代の思いに浸れます」
 


玩具を祭った具足塚(小町塚)
小野神社境内にある

比叡山延暦寺、そして志賀町の歴史散歩道をたどりました。杉木立ちと鳥の鳴き声が印象的で心が洗われるようです。