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過去、現在、未来を巡る道
今年2月に和歌山県の高野山を訪ねましたが、今日は近畿の巡礼ドライブ第2弾として、滋賀県の霊場・比叡山を目指します。今年は延暦寺の開祖・最澄が唐へ渡って1200年目にあたり、それを記念してユニークな行事も行われるようです。



  「にそと」に注目   
 

大山崎ジャンクション

 名神高速道路を走り、天王山トンネルから大山崎ジャンクションの下を抜けました。大山崎ジャンクション開通は画期的なことで、滋賀や名古屋方面に名神高速でも京滋バイパスでも同一料金で行けるようになり、文字通り名神高速のビッグバイパスが完成しました。今後は京都第二外環状道路、略して「にそと」が待ち遠しい限りです。久御山ジャンクションから宮津天橋立インターまでの京都縦貫自動車道の一部、久御山ジャンクションから京都丹波道路沓掛インターまでが「にそと」で、久御山・大山崎間は開通しているものの、大山崎・沓掛間はまだ出来ていません。早く出来て、ここから天橋立まで快適に行けるようになればと思います。


  過去、現在、未来を拝む    <比叡山の地図はこちら>
 


比叡山ドライブウェイ(比叡山の頂上には残雪)

 名神高速京都東インターを下りて国道161号を北上、滋賀県道30号から比叡山ドライブウェイを走ってきました。春まだ浅く、比叡山の上の方は雪で白くなっています。到着したのは、神気みなぎる比叡山延暦寺の東塔エリアです。延暦寺は、東塔、西塔、横川(よかわ)の三つのエリアに分かれ、東塔には根本中堂があり、伝教大師・最澄が比叡山を開く時に自刻し安置した薬師像が祭られています。比叡山延暦寺総務主事の真嶋全康(まじまぜんこう)さんに伺いました。平安時代、「お山」といえば比叡山のことでした。
「伝教大師が東大寺で授戒を受けた後、比叡山に登り、一乗止観院(いちじょうしかんいん)、後の根本中堂を結んだのが比叡山の始まりです。794年の桓武天皇による京都遷都のころで、鬼門にあたる場所が比叡山でした。1200年の歴史があり、一宗一派をお開きになった名だたるお坊様方に修行いただいた霊山です」



東塔・根本中堂
 伝教大師が唐へ渡ったのはいつなんでしょう。
「804年、天台山に伝わる『天台の法』を学ぶため唐の行満座主(ぎょうまんざす)に移られ、翌年帰国して天台宗開祖となりました。天台宗は「朝題目、夕念仏」でお勤め中心ですが、修行とお勤めのすべてを総合的に行います。根本中堂のご本尊は薬師如来で現世利益の仏様、西塔の釈迦堂のご本尊のお釈迦様は、過去、ご先祖の仏様、そして、横川の横川中堂のご本尊の観音様は、未来を救う仏様です。すべてのエリアを回ると過去、現在、未来すべての世界を拝めます」

 伝教大師の墓にあたる建物はひときわ静かです。
「浄土院です。12年籠山(ろうざん)といい、今も伝教大師が生きているかのごとく、今もその中で修行する僧がいます」


根本中堂の内部
 千日回峯行という荒行もあります。
「お山に12年こもり、うち7年間かけて歩きます。午前1時に出発し午前6、7時ごろ戻ります。ルートが決められ、100日を基本の単位にして、1日30km、雨の日も風の日も雪の日も休まず、拝みながら歩きます。また、千日の中で『大廻り』といって、京都市内の昔の比叡山の領域を歩く行(ぎょう)もあります」

 この春、行事も行われるようです。
「4月25日に『グリーンウォーターエイド』が催されます。比叡山ドライブウェイの一部を歩行者天国にして、自然に触れ、植樹も行っていただきます。ペットボトルに水をくんで来てもらい、植樹の時に注いでいただきます。水を通して人間の生活の大事な部分を感じていただきたいと思います」
 

西塔・「にない堂」
中央の道は千日回峯行の道

   比叡山延暦寺
 ■開山時間/8:30〜16:30 *西塔と横川は16:00まで
 ■巡拝料/大人550 円、中高生500 円、小学生以下無料
   *国宝殿拝観料とのセット=
    大人850 円、中高生500 円、小学生以下無料
 ■TEL/077-578-0001