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   地域づくりの三本柱   
 

話はどんどん弾んで・・・

稲野 今後の道や川、街や港づくりを、どのように進めていくのでしょうか。
局長 道や川などを造り守ることは、国土交通省の仕事ではありますが目的ではありません。造り守ることで、地域社会が活性化し、一層発展し、人々の生活が豊かになることが目的です。その意味で、川や道、港や公園などの仕事を、いわゆる縦割りではなく、地域社会一体として総合的に捕らえた方が効果的で効率的だと考え、九つの個別の5ヵ年計画を一本化した「社会資本整備重点計画」が定められました。近畿ブロックの計画は、年度内のできるだけ早い時期に策定します。近畿は地盤沈下がいわれていますが、元々、都が千数百年間あり、自然環境も豊かな所です。大阪、京都、神戸の三都が近畿の核となり、周辺地域と共生(共に生きる)精神でやっていけば、まだまだ発展の可能性があります。必要な社会資本の柱は三つで、一つは陸海空の総合的な交通体系の構築です。途切れたところをできるだけ早くつなげてネットワーク化します。二つ目は災害に強い地域づくりで、東南海・南海地震が今後30年以内に50%ぐらいの確率で起こるといわれているなか、阪神・淡路大震災の教訓をいかし、危機管理を含めて推進していければと思います。三つ目は観光で、全国の国宝の6割がある近畿にできるだけ多くの方に訪れていただけるような、また、来てよかっと思われるような地域づくりを、インフラ面からできればと思います。


   利用者とのコミュニケーション

 

皆さんからのおはがきをご紹介
稲野 この1年間にいただいたおはがきをいつくかご紹介します。「古代から、人が道を造り、道は人を運び、物を運び、文化をもたらしました。改めて興味深いものですね(大阪府大東市・岩橋初子さん)」。「近くて遠い島であった淡路島が大橋の開通で大変便利になりました。若いころ、サイクリングで島を横断して走ったことを思い出しつつ、道には人生の思い出がいっぱい詰まっていると感じました(大阪府吹田市・大森文さん)」。「ちょっと足を延ばすと、素敵な所がたくさんあるのでびっくりします。道の大切さ、道のありがたさを実感できる番組です(神戸市・鈴木小百合さん)」。局長、いかがですか。
局長 古今東西、道は人、物、情報が行き来し、文化そのものが行き来するものです。人々が生活する上で、今は空気のように思われていますが、必要欠かさざるべき施設です。いろんなお便りを聞かせていただいて、そのことを改めて実感しました。道はもう少し身近なものに戻す必要があるのではないでしょうか。我々行政だけではかゆいところに手が届かず、住民の方々の考えによって使い勝手のいいものになることも多いのではないでしょうか。「未知普請(みちぶしん)」による多くの方々の参画や知恵によって、それが実現できればと思います。皆様方とのコミュニケーションを、一方通行でなく行ったり来たりで深めていければと思っております。
 
今日は、国土交通省近畿地方整備局長の谷口博昭さんに、近畿の道についてお伺いしました。道がどんなふうにして出来ていくのかは、私たちにとっても関心のあることですし、未来に向けてのお話を伺うと、楽しみがいっぱいで想像も膨らんできます。