|
|

根来寺
|
国道24号から北へ折れ、新義真言宗総本山・一乗山大伝法院根来寺に来ました。根来寺文化研究所研究員の木村英一さんに伺いました。
「根来寺は、平安末期の長承元(1132)年に、興教大師覚鑁(こうぎょうだいしかくばん)上人が高野山に大伝法院を建てたのが源流です。その後、鎌倉時代後半の1287年から88年ごろ、僧侶・頼瑜(らいゆ)がこの地に移したといわれています。覚鑁上人は20才のころに高野山に入りましたが、その名声や地位が高まると、元々高野山にいた僧侶の反発を招きました。上人は争いを避けて根来に移り、1143年に根来の地でお亡くなりにありました。根来寺は、室町時代に幕府の支援で発展し、15世紀末から16世紀に隆盛期を迎えました」
|
|

日本最大の木造多宝塔(国宝)
|
根来といえば、僧兵「根来衆」や鉄砲が有名です。
「資料がなくて全貌は不明ですが、根来衆のイメージがずきんと黒装束であるのに対し、実際はざんばら髪で、かぶとやよろいを付けていたようです。鉄砲についても資料がなくて伝承ですが、根来寺にいた杉之坊が津田監物を種子島に遣わして鉄砲を入手し、根来坂本の鍛冶職人、芝辻清右衛門に作らせたとのことです」
その後、根来寺はどうなりましたか。
「信長没後、天下統一を進める羽柴秀吉が10万の兵で紀州を攻め、根来寺は全山が炎上しました。ただ、大伝法堂(本堂)は後の再建ですが、本尊、多宝塔や大師堂は焼き討ち以前のものです。国宝の多宝塔は、高さ37mほどで、1階部分の幅が15mある日本最大の木造の多宝塔です。資材を集めはじめてから完成までに、約70年かかったようです」
|
一乗山大伝法院根来寺
■拝観時間/4月〜10月9:10〜16:30
11月〜3月16:00まで
■拝観料/境内は無料
多宝塔、大伝法堂、大師堂、
名勝庭園は500 円(共通券)
■TEL/0736-62-1144
|
|
根来の歴史、伝統を伝える |
|
岩出町民俗資料館にて
|
根来寺の横、岩出町民俗資料館に来ました。副館長の山下繁明さんに伺いました。
「六つのコーナーに分けて展示しています。例えば、最初の『紀の川の流れと先人たちの暮らし』は、岩出の自然、暮らしと共にある紀の川の流れを、生活を営み始めた時代から歴史時代にいたるまでの歩みの展示です」
中世のコーナーには、根来寺に関する展示や鉄砲もあります。また、地元の方を対象に、伝統産業の根来塗を伝承する講座も開かれています。根来塗りは、黒と朱の落ち着いた色合いです。受講生2人に伺いました。
「普段使いできる丈夫な漆器というのが特徴です」
「お寺の什器として発達し、使いやすくて丈夫です。上の朱がすり減って黒が浮かび上がり、それが気色になる味わいある漆器です」 |
|
岩出町民俗資料館
■開館時間/9:00〜17:00
■休館日/毎週火曜日、祝日の翌日、年末年始
■入館料/無料
■TEL/0736-63-1499 |
|

最後は、今年4月19日にオープンした道の駅「根来さくらの里」に来ました。根来寺から県道泉佐野岩出線を泉南方面に走り、山を越えるとすぐにあります。丹精込めて作った野菜などを中心に、地元の方々が力を入れておいしいものを出しています。根来寺に来たら、ぜひどうぞ。
|
|
|
|
 |