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![]() 「私のところは、直接、御清水を使っているわけじゃないんですが、同じ白山水系の伏流水を使っています。中軟水ですが、どちらかと言うと、軟水の方が酒造りには適しています」
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「明治になってからです。当時は屋号である『麦屋』で売っていて、今みたいにびんがありませんから、皆さん、『くまがい茶碗』というボウルのような器でお酒を買いに来ました。偶然来た京都の俳人が、『麦屋の酒は一乃谷、くまがい(熊谷)茶碗で飲めばいつもよしつね(義経)』と短冊に記して帰って以来、酒名を一乃谷にしております。源頼朝の家来である熊谷次郎直実(なおざね)が、一の谷の合戦で義経と一緒に大活躍したことから、とんちでそう表現したんですね」 その一乃谷の味が、大きな転換点を迎えた時もあったようです。 「前の杜氏が体を悪くして辞めた後、今の50代の杜氏と私が二人三脚で新しい取り組みを始めました。機械化を避け、原点である手造りに戻して、手間ひまかけた酒造りをやりました。福井県のお酒は全般的に少し甘口だったので、うちが最初に少しずつ辛くしていきました。辛い方が飲みやすく、後を引かないからです。お陰様で、金沢国税局清酒鑑評会で20年以上連続の金賞に入り、有り難く思っています。福井県ではこの蔵だけです」 |
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商品を試飲させていただきました。 「大吟醸の『暁』、7~8年前に復活させた昔仕込みの特別純米酒、古酒、そして古古酒です。ビンテージ物の古酒や古古酒は、全国でもやっているところが少ないんで、お見せしました。召し上がってください」 大吟醸は香りもふんわりし、本当に舌、のど、胃にスキッと入る感じで、いろんな料理に合いそうです。昔仕込みの特別吟醸酒は、もう少し柔らかい香りがし、こっちの方がまろ味やうま味がギュっと入った感じがします。 「それは純米酒の特徴で、年数がたつほどまるくなるんですね。米と水しか使ってないんで、初め硬いんですが、段々まるくなってきます。今後も、この自然の恵み、いいお水を使って、お客様に喜んでいただける酒造りをしていきたいと思っております」 宇野酒造場 ■TEL /0779-66-2236 |
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