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   石とヤナギ製品の館。    <円山川の地図はこちら>
 

玄武洞
 玄武洞のすぐ近くまで戻り、「玄武洞ミュージアム」に入りました。今年リニューアルしたこの施設には、驚くほど多くの石や鉱物が並び、杞柳(きりゅう)と呼ばれるヤナギを使った製品が紹介されています。玄武洞ミュージアム館長、兵庫県杞柳製品協同組合理事長の田中榮一さんにお話を伺いました。
「ここは私が造った施設です。玄武洞を知ってもらおうと石を訪ねていく間に、石の不思議に魅せられ、世界の宝石や鉱物、化石をいっぱい集めました。石について珍しいものが日本で一番たくさん集まってる博物館だと思います」

玄武洞ミュージアム

 杞柳細工もあります。
「この地方は、地形的に大雨が降ると湖のようになってしまい、大事な稲作が不安定だったため、荒れ地に生えているヤナギを使って暮らしを立ててキマシタ。杞柳というのは、コリヤナギという学名を持つヤナギで、行李柳(こりやなぎ)を編むのに適した、非常にしなやかなヤナギです。ヤナギは普通、シダレヤナギをを連想しますが、これは下から真っすぐ上に伸びるヤナギで、全然違うんですよ」

 1階は土産店とレストラン、2階が石や鉱物の展示場です。
「常時、千数百点は並べてます。看板は、アメリカで話題を呼んだアマゾナイトの大きな塊で、世界中どこの博物館へ行ってもこれだけのものはないと思います。ぜひ見てもらいたいですね。小松左京さんが来られて、『ここでは地球の窓開いてるぞ』っていうようなことを、市民に話されたことがあります」

 

杞柳細工の展示
 3階は豊岡の産業である杞柳細工の展示です。
「杞柳細工は、西暦27年に天日槍(あめのひぼこ)が伝えたと言われております。実際の物としては、奈良の正倉院にこの地で作られたと考えられる行李(こおり)が御物として残っています。また、豊臣秀吉が全国を平定し、豊岡にお城と城下町が出来た時には、既に産業になっていて、秀吉にも献上した記録が残されています。しかし、本当に産業にしたのは、江戸時代に国替えで宮津の方から豊岡にやってきた京極氏です。藩のはんこを押したしゃくしを作り、一定の規格の物はすべて藩が買い上げ、問屋をつくり、取り扱う商人や運送業者を指定するという専売制度を確立して、伊勢講や参勤交代の際、日本全国に商人を連れながら売り広めていきました」
 

雅子さまもお持ち
話題の高級かご
 行李が広まっていったのも、その当時のようです。
「行李にはたんす1さお分の物が入り、2階から投げても壊れない。雨が降れば、水分を含んで中の大事な物を保護してくれる。普段は通気性が良く、和服もこれであれば安心だといわれ、日本の風土に適した非常に丈夫で携帯に便利なものとして、日本中に愛好されていったんだと思いますね。最近は、昔と違った新しい感覚で、高級な手提げかごに挑戦しています。雅子さまにも持っていただいていて、今、注目を集めています」

 

 

  玄武洞ミュージアム
 
 ■開館時間/8:30〜17:00 、無休
 ■入館料/中学生以上600 円、
        幼稚園・小学生300 円
 ■TEL /0796-23-3821



兵庫県豊岡市を流れる円山川を訪ねました。コウノトリ、石、杞柳細工…どれを見ても幸せな気持ちになるものばかり。皆さんも、ぜひお出かけください。