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  阿波踊りと大和川の、不思議な関係。 
 

「水の声」の大和川清掃活動
写真提供:白井朝子さん

 後半は、大和川の美化に貢献されている皆さんの話題です。大和川で長年にわたって清掃活動をしている「水の声」の活動について、代表の南茂さんにお話を伺いました。徳島出身の南さんの活動は、阿波踊りとも関係があります。
「難しい話ではないんですよね。川が美しくなれば、私たちも美しい気持ちになれるということです。私たちはいつもストレスがたまっていますので、血液をうまく回すことが必要ですが、そのためには汗をかくことです。そうするには、一つは阿波踊り、一つはごみ掃除。この二つをひっつけて考えてい
るわけです」



地元の「平野区民まつり」にも参加

写真提供:雄徒呼塾

 活動はどんなふうに始まっていったのでしょう。
「初めて大和川を見た時、汚い川に見えたんですね。何かできることないんだろうかと思い、家内を引き連れ、私一人でごみ拾っていたらおかしいから立っといてほしいと言って、うまく家内を巻き込んで一緒にごみを拾ってもらったところから始めました。ただ川にごみが多いから、なんかできへんかなと思っただけのことなんです。最初はごみを拾っていただけでした。そしたら、『あんたら夫婦、おもろいな』とか『頑張りや』とか言われました。私には、『あんたは拾ってくれへんのかな』、『こちらの方、振り向いてくれないのかな』という気持ちがありました。それで、誰でもできることは何かと考え、じゃあ一緒に踊らへん?ということろから始めたわけなんですよ。遊びの踊りや体操なら、少しはできるんじゃないかと。阿波踊りは、ごみを拾う前のあめ玉みたいなもんなんですよね」

 

高齢者施設への慰問活動
写真提供:白井朝子さん
 ごみ拾いとは別に、阿波踊りを教えていると解釈したらいいのでしょうか。
「そうと捕らえてもいいんですけどね。ごみだけを拾ってる方、踊りだけをやりたい方、いろんな方がいてるので、チャンネルをあわすようにしてるんです。でも、踊りだけではよくないという言い方をしていて、遠いところから踊りをしに来る方には、自分の近くを掃除してほしいと言っています。大和川にこだわってるわけではないんです。川が奇麗になって、地域が奇麗になって、自分の身体が奇麗になっていく。どの地域でも同じです」

 清掃活動は、どこでされているのでしょう。
「大阪市平野区の長吉高校から100mほど南、松原市との境にある明治橋を中心に、東西100mぐらいで清掃活動をしています。月1回、第3日曜日の朝8時からです。それと、年に1回、11月には、皆さんから提供したもらった芋を大和川で焼いて、皆さんに楽しんでいただいています。大体3日に行っていますが、今年は第3日曜日に行います」
 

大和川、明治橋
 大和川が奇麗になったと、どんなことで感じているのでしょう。
「アユがね、泳いで来るようになりましたしね。もともと泳いでいたコイも、以前は少しみすぼらしかったんですが、今はなぜか悠々、堂々と泳いでいるように見えます。お魚釣ってる方のマナーも、アップしました」

 大和川には、どんな思いで接しているのでしょう。
「川が高い所から低いところに流れているように、人間もつながっています。どんな国、地域、形であろうが、必ずつながってくる。だから、川のつながりがうまくいければ、世の中がうまく行くし、明るくなるだろうという思いなんですね。川は皆さんの“財(たから)”です。その“財”を守ろうっていうのが、これからのテーマです」


大和川の調査と清掃、市民による二つのユニークな関わりをご紹介しました。大好きな大和川が、これからもどんどん奇麗になってくれれば嬉しい限りです。