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     一級河川と二級河川。
 

大川は大阪屈指の桜の名所

稲野 今日、ここにいる理由の二つめ、「川ものがたり」の松田さんがこの大川を選んだのは、なぜですか。
松田 大阪の下町育ちの私が、何を間違ったか2年半東京に住み、大阪に戻っての新しい住まいが大川の近くなので、独断と偏見で選びました。でも、初回の放送なので事前に調べたところ、川には、木でいう幹に当たる本流と枝に当たる支流とがあって、その全体を「水系」と呼ぶんですが、水の都・大阪のシンボルであるこの大川は、淀川の支流でありながら、実は昔、淀川の本流だったそうなんです。
稲野 確かに、この先の中之島で堂島川と土佐堀川に分かれて、看板によっては旧淀川なんて書いてありますね。
松田 それに対して、今の淀川本流のうち、大川が分かれている地点から大阪湾までを「新淀川」と呼んだりしています。明治後期までの淀川は、大川、中津川、神崎川に分かれ、蛇行して流れていたそうです。でも、洪水が起きやすいため、小さな川だった中津川をベースにして、幅広い新淀川を開き、大量の水を大阪湾へ流せるようにしたそうなんです。



4月9日には大阪市民レガッタが
開催された

稲野 なるほど、川にも歴史ありですね。ところで、この大川は一級河川ということなんですが、川には一級河川や二級河川といった区別があるんですよね。
松田 そうなんですよ。これも調べるまで知らなかったんですけれど、一級とか二級とかの区別は、水質や川幅、長さなどでされているんではないんですよ。すべて法律に基づいて決まっているもので、国土保全上、重要と思われる水系が一級水系、その次に重要と考えられるのが二級水系ということです。そして、一級水系のうち、幹にあたる部分などは国が管理するんですが、その他の部分は都道府県が管理しているんです。また、二級水系も都道府県が管理しています。
稲野
 皆さんのお宅の近くの川が、どの水系で何級河川なのか、調べてみるのもおもしろいですね。


  川での思い出、道への思い入れ。
 


桜宮橋近くにある重要文化財「泉布観」

稲野 松田さんは、何か川に関する思い出はありますか。
松田 いっぱいありますよ。父がアウトドアが好きで、休みになるといろんな所に連れていってくれましたが、泳ぎに行くのは海ではなくて川だったんですね。
稲野
 あっ、私もそうやった!
松田
 キャンプをしつつ、川に行くと。思い出にあるのが、奈良県十津川村の「谷瀬の吊橋」です。あの橋は本当に怖かったですね。また、和歌山県の熊野川支流にある「川湯温泉」にも、思い出があります。河原を掘って、川の横で温泉にゆったり入る。あとは、高校が大和川の近くだったので、よく授業をサボり、河川敷で友達と進路や恋の話をしました。どの先輩がいいとか、あの男の子がいいとか。稲野さんは、何かありますか。
稲野
 大学の時、京都の自宅に居て、暑いと思ったら、水着の上にTシャツと短パン姿で、鴨川の上流に泳ぎに行きました。甲羅干しして水着が乾いたら、上にまた着て帰ってくると。そんななかで、生き物と遊んだりした思い出がたくさんあります。

 



大川河川敷での収録の様子

松田 川の思い出って、みんな、小さな時からありますよね。稲野 川の臭いとか、草の臭いとか、そういうものが一緒によみがえってくるんですよね。
松田 4年間の「道ものがたり」の取材を通じ、印象に残ったことはどんなことですか。
稲野
 やはり、行った先での出会いですね。おいしいもの、人、歴史と出会い、そこで、一生懸命に町興しやイベントなどをしているお話を聞くと、どれだけ自分たちの町や道に誇りを持っているかという、土地の皆さんの思いが、そこに走る道を生かしていくんだなあと感じます。訪れてみたい所がたくさんあって、それらに出会わせてくれるのが道であり、新しくできた道でも昔からある道でも、通った道には、私の思い出が刻みつけられていくのだなあと実感します。だから、これからもきっと新しい出会いがあり、新しい道があり、新しい道にまた思い出を刻みつけていく、そんな取材になるんだなと思って、楽しみにしています。
松田 道って奥深いですね。



次週より、通常の「近畿川ものがたり」、「近畿道ものがたり」です。