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   揖保川の自然が、凝縮。      <三川分派地区はこのあたり>
 

三川分派地区の河畔林

 下流域の姫路市下余部(しもよべ)地区、八十(やそ)大橋から数百m上流周辺は「三川(さんせん)分派地区」と呼ばれますが、見たところ揖保川1本しかありません。詳しいお話を「揖保川三川分派地区環境を守る会」代表で、国土交通省の「三川分派地区環境整備計画検討委員会」委員の山口雅祥(まさよし)さんに伺いました。
「揖保川の向こうにあるのは中州で、その向こうに『中川』があり、下流には『元川(もとかわ)』があるため、あわせて三川です」
 ここには揖保川の上中下流の自然環境が凝縮されているとのこと。
「こういう河川敷にはフジバカマやカワラヨモギなどの一般的な野草があり、中州にはエノキやムクノキなどの林があります。元々上流にあるのが流れて来た。それと中川には兵庫県でも珍しい干潟があるんですよ」

「よべ自然公園水辺の郷」完成記念式典
写真提供:姫路河川国道事務所

 自然環境が豊かだからこそ、三川分派地区整備計画が作られたのでしょう。
「整備は平成20年完成予定ですが、それまでにどうするかを検討しています。川に親しめる水辺にすることが一番大事で、我々としては昔のような河原を求めたい。(揖保川支流の)蟠洞(ばんどう)川、中川、そして中州の環境整備にかかわっていて、5月15日に『よべ自然公園水辺の郷(蟠洞川等環境整備地区)』が完成したため、次は中州です。中州の上手に水の流れが悪い部分があり、中洲を切り下げて水を流し、アユが自然の力で遡上できるようにしたい。以前、ここでアユを取り上げよったけど(*取り上げたアユは中洲上流で放流)、それやるとあかんのです。魚は自然の力で上っていって、自分らで切り開いていくというのが、やっぱり自然の力なんです。河原の石も小さい。こんな小さな石に付いたコケをアユは食みません。大きな石ほど、コケがぎょうさん付いとるから魚が育ちますし、自然の力で水を浄化します。酸欠状態にもならん」
 

記念式典でのアユ放流
写真提供:姫路河川国道事務所
 三川分派地域環境を守る会についても伺いました。
「2年ほど前、ここが環境整備されて公園化されるという話を聞き、それをみんなに報告したところ、ハード面は国土交通省に任せなしゃあないけど、管理などのソフト面はやっぱり地元がするべきであるということになり、なんとかボランティアができたらなあという話をして、活動を始めました」

 奇麗になった揖保川、昔を100としたら今はどれぐらいなんでしょう。
「60〜70%ぐらいいったんかなと思います。ただ、川の表面に泡がいつまでも流れているのが嫌なんですよ。ある程度出来て、ぽっと飛ばなあかん。ずっと残るのは水の成分に問題があるんかな。ウナギやテナガエビなどの“底もの”がおらなあかん。課題は多いけど、協力しあえばたぶん解決することです」


揖保川の中流から下流にかけて様子を見ました。魚たちが自然にこの揖保川に戻ってくるような環境づくりをすることが、自然と共に生きていくために私たち人間がすべき使命なのではないでしょうか。