アイが無事に育つと、次のステップである染料作りに入ったとのこと。 「アイの葉っぱに染料となる色素が含まれていますが、一大生産地である徳島県では、何百kgという大量の葉っぱを大きな土室に積み上げ、水をかけて発酵させ、3ヶ月かけて染料の『すくも』にしています。しかし、高田豊輝(とよてる)さんから『藍染は誰でもできる』という本を頂き、少量の葉っぱでも染料にすることができることを知りました。ポリバケツにアイの葉っぱを詰め、水をかけて発酵させると、2週間も経てば『すくも』になります」 この地域におけるアイの栽培や藍染めの歴史について伺いました。 「京都の松尾大社の荘園が福知山にあり、1473年に荘園の人たちが松尾大社へ藍代を納めたという古文書の記録が残っています。また、1496年には浅葱色(あさぎいろ)や高麗色に染めた布を納めたという記録も出てきて、アイの栽培が行われていたことが確認された上、この由良川流域で藍染めもしていたことが分かってきました。私たちは、そうしたことが行われた古い土地柄であることを、福知山の自慢にしようじゃないかと呼びかけています」