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   “絶滅危惧種”の「川ガキ」復活イベント。     
 
イベント会場となる竹やぶ
 行政と住民が一緒に川づくりを進めるようになったのは、自然を守るために行政に要望する人たちの訴えがあったからこそ。今度は、その意味での主人公である「石川自然クラブ」の田渕武夫さんにお話を伺いしました。まずは、11月開催の「石川の竹で遊ぼう!2005」について。
「石川河川公園『自然ゾーン』には所々に竹やぶがあります。昔はかなり立派なものでしたが、無茶苦茶に切られたりして細い竹になってしまったため、細い竹を間引いて立派な竹やぶに戻そうと開催しているのがこのイベントで、今年3年目です。
切るべき竹には事前に私たちが印を付け、それを子供も大人もノコギリで切ります。いった竹の葉でお茶を出して飲んだり、竹を使った工作教室を開催したりもします。昔、川で遊ぶ子を『川がき』と呼んでいましたが、今や“絶滅危惧種”の状態です。大人も子供も思い切り川で遊んで、貴重な自然体験をし、こうした川ガキを復活させようというのも一つの目的です。ここ自然ゾーンは川幅が広いし、コンクリートのハードな護岸を造っていないので、現代の川ガキ向きではないでしょうか」

自然ゾーンのサイクリングロード
  石川自然クラブの活動は、どのように始まったのでしょうか。
「90年代半ば、大阪府が『石川あすかプラン』という整備計画を作り、生き物が住めないような河川改修工事が始まりました。これに心を痛めた地域の三つの団体が話し合い、市民にも呼びかけて、94年に『石川あすかプランを考える市民連絡会』を作りました。治水は極めて大切で万全の対策が必要だが、自然に優しい工法を採用し、工事後はできるだけ自然の流れに任せるのがいい。また、川に関わる人々の生活と文化の歴史を大切にし、これらを調和させた河川の管理が必要だと考え、土木事務所や公園事務所などに要望してきました。結果、自然ゾーンの治水工事については自然に配慮した計画に変更してくれましたが、公園造りについては理解されず、対立した時期もありました。しかし、行政と住民で一緒に進めようという機運が高まって、98年に市民団体の代表と学識者で『石川自然ゾーン検討会』が作られ、自然ゾーンについては『川に川をつくらせる』という概念が合意されました。その後の活動の中で石川自然クラブが生まれました」


自然ゾーンとは逆の上流方向
河川敷は芝生

 河南橋から下流側は自然のまま、しかし、上流側も公園になって素敵に見えます。
「上流側はほとんど芝生になっていて、私たちが調査したところでは、極端に言うと虫一匹いません。ところが自然ゾーンの方では、バッタやトンボなどがいっぱい飛んでいます。だから、芝生や花壇は基本的にやって欲しくないと思っていますし、今後は“壊されてしまった自然”を元に戻していくことも、私たちが考えなければいけない課題だと思っています」


「川に川をつくらせる」という話がありましたが、この石川は将来どんな川になっているのでしょうか。きっと、人と自然が共生できるような素敵な川になっているのではないかと思います。