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   客がおわんを捨てたわけ。    <淀川の地図はこちら>
 
2004年の「蘇れ!淀川の舟運」
写真提供:枚方市
 淀川に架かる枚方大橋のすぐ上流の左岸には淀川河川公園「ひらかた水辺公園」があり、野球場などがよく見えます。ここ枚方市では、11月6日に淀川舟運イベント「蘇れ!淀川の舟運」が開催されます。詳しいお話を枚方市理事の池貝浩さんに伺いました。
「江戸時代に淀川の港町として、また京街道の宿場町として栄えた枚方市では、淀川舟運の再生を目指した取り組みを進めており、その一環として平成12年からこの舟運イベントを開催しております。今回は淀川を舟で巡る五つのコースを設定しております」


くらわんか舟(鍵屋資料館)
 江戸時代の枚方はどんな様子だったのでしょう。
「とくに有名なのが、三十石船とくらわんか舟のやりとりです。京都の伏見から大阪の八軒家浜まで三十石船で下る途中、枚方あたりでどこからともなく小さな舟が寄ってきて、飲食物を売りつけるわけです。その売り言葉が『酒くらわんか、飯くわらんか』というちょっと厳しい口調で、それが逆に船に乗っているお客さん方に受け、大変有名になりました。精算は食べたおわんの数でしましたが、客はこっそりその一部を捨ててごまかしました。河川改修時、この淀川の底からおわんが何百枚と出てきてそれが証明されています。明治に入ると蒸気船が就航しましたが、段々と鉄道や道路が発達して水上交通が衰退し、昭和30年代に船の定期便は途絶えました」



鍵屋資料館は江戸時代の船宿を利用
 今、また淀川舟運再生が叫ばれています。
「災害対策と観光レクリレーションという二つの観点で、新しい舟運の可能性を追求する動きが活発になっています。阪神・淡路大震災の教訓から、大地震の際、淀川周辺地域に復旧や救援の物資を船で届けられるようにするのが災害対策です。その時に使う船着場が、枚方を含めた9カ所で整備されましたが、災害時だけではもったいないので、普段は観光やレクリエーションのために有効利用する取り組みも進めています。市民向けの舟運イベントや江戸時代の船宿を活用した『鍵屋資料館』の開設、淀川に並行する枚方宿の町並み環境整備などのほか、2000年には淀川沿川の9市町が集まって『淀川舟運整備推進協議会』を設立し、舟運再生に向けた研究やPR活動を行なっています」


鍵屋資料館のある京街道(東海道)
 11月6日に行われる五つの船旅について伺いました。
「水上バスと屋形船が1隻ずつ、天満橋から枚方に向けて出発する2時間半のコースでは、水上バスの方は船でお弁当を、屋形船の方は枚方の鍵屋資料館大広間でお食事をしていただきます。枚方に着いたそれらの船で逆をたどるコースでは、お茶とお菓子をどちらの船でもお出しします。そしてあと一つは、枚方船着場を出て近くの川面を50分間ほど遊覧して戻る屋形船での遊覧コースです。この他、枚方船着場では地元の劇団『the 鍵屋』がくらわんか舟を再現し、枚方から天満橋に向かう船には一寸法師と姫君がおわんの舟で随行する演出も予定しています」

*「蘇れ!淀川の舟運」は11月5〜6日開催されました。


淀川や大川で開催されます舟運イベントを取材しました。とにかく盛りだくさんの内容で、どこに行こうかなー?と考えてしまうほど、本当に楽しいイベントになっています。