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   水がつくる美しい眺め、二つ。
 
志染川に架かる眼鏡橋
 三木市志染町御坂に戻り、志染川に架かる石づくりの橋に立っています。欄干が低いのでこわごわ川をのぞくと、奇麗な水が非常に勢いよく流れています。橋げたの下にはアーチが二つあって、水面に映ると眼鏡のように見える「眼鏡橋」になっています。「ガイドボランティアみき」会長の村岡十次郎さんにお話を伺いました。
「正式には『淡河川幹線路御坂サイフォン』と言います。長さは58mで、昭和の水害で橋が相当傷んだため大修理を行い、新しくパイプを敷設したのが、今、私たちの立っている方の橋です。上流側が古い橋で、危険だから人が立ち入らんようにと冊を造っています」
 サイフォンのパイプは新しい橋の下に通っていることになります。それにしても雰囲気のある橋です。「イギリス人のパーマー少将が設計した際、見てくれのいい橋を造ったんじゃなかろうかと。単なるパイプ一本じゃあ色気も何もないから。ヨーロッパの雰囲気が漂っていますね」

志染の石室
 眼鏡橋から車で3分ほど移動しました。大きな岩があり、そこにぽっかりと穴が開き、水がたまっています。看板では、横14.5m、高さ2.7m、奥行き7.2mとのこと。ここは一体、何というものなのでしょう。
「『志染の石室(いわむろ)』です。この水の中には、日本でも珍しい光輝く藻があって、金色に光り輝くというところから『金水』と言われています。今の時期はただの水ですけど、菜の花が咲く時期に金色に光輝くんです」

 神秘的な感じがしますが、伝説も残っているようです。
「5世紀、皇位継承のいざこざから雄略天皇に父親が討たれた赤子の二王子を、取り巻きが連れて逃げ隠れ、ここへたどり着きました。ここには税金を徴収する『屯倉(みやけ)』が置かれていて、忍海部(おしんべ)さんという大和朝廷直轄のお偉いさんが管理しておった。二王子は、その管理人の家に馬飼いや羊飼いとして隠れ住んで働いていたと言われています」


黒い部分が春には黄金色に輝く
 その他にも、ここ辺りには歴史上の話があるようです。
「法道仙人が、この近辺に仏教の布教をしたのが640年代ですね。それより100年ほど前、百済の王様の息子である『童男(どうなん)行者』が、明要寺(みょうようじ)を眼鏡橋の真東にある丹上山(たんじょうざん)の頂上に開きました。ですから、この丹上山が仏教の最初の伝来地だともよく言われています」


  ガイドボランティアみき
 ■ガイド料/無料、ただし、
   資料代等で半日1000円、
   1日2000円
 ■連絡先/三木市観光協会
         0794-83-8400
 

眼鏡橋を渡り、南側の山の斜面を登ってみましたが、確かに水が上がってきていました。静かに流れ出る水を見ながら、大きなパイプを運んだこと、パイプを通すために正確に角度を測ったことなどを想像し、昔の人のすごさを実感しました。