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  自治制度、「箱本」。  <紺屋川の地図はこちら>
 

紺屋川と紺屋町の町並み

 JR郡山駅西側の紺屋町は、中心に紺屋川が流れています。昔、藍染(あいぞめ)が盛んに行われた地区ですが、そこにある箱本館「紺屋」を訪ねました。宙を泳ぐ大きな布の金魚など、金魚もいっぱいのミュージアムです。こちらの田村佳代さんにお伺いしました。
「ここは2000年4月にオープンした大和郡山市所有の施設です。建物は、元々、藍染めをしていた町家を復元したものですが、実際に藍染め体験をしていただけるようになっています。それに、昔の藍染の道具の展示や、郡山らしく金魚をテーマにした美術工芸品の展示なんかもしています」



藍染体験工房


 どんな藍染体験ができるのか伺いました。
「普段はハンカチやバンダナを染めていただきます。身近にある割りばしや洗濯バサミ、石ころやクリップなんかで布をはさみ込むと、そこだけ染まらないので模様になります。藍の原料は、タデ科の植物『タデアイ』の葉を発酵させた『すくも』です」

 箱本館前の道の中央には、幅1mぐらいの紺屋川が流れています。
「以前はこの川で染め上がったものを、さらして洗っていました」



箱本制度で使われた御朱印箱

 紺屋町という町に藍染商が集中していたのは、歴史的に意味があるようです。
「豊臣秀長が郡山城主になった時、城下の繁栄と保護、産業奨励のために同業者を同一地区に集めました。城下町に13の地区を作り、紺屋町、豆腐町、茶町など職業が分かる町名をつけました。それが今も残っています。箱本館の『箱本』は、その時定めた自治制度のことです。50cm×80cmぐらいのつづらのような箱の中に関係書類を入れ、1カ月ごとの当番を決めて、その当番が箱を預かっていました。ここにレプリカを展示しています。箱は二つあって、塗りのある方に関係書類を入れ、もう一回り大きい箱の中に収めます。書類は箱本の当番が回ってくる間にいろいろ決めたことを書いたものです。当番になった家は箱を預かり、当番と分かるように『箱本』のノボリを立て、13の町の治安維持、火事の際の消火活動、情報伝達などを取り仕切っていました。大きな問題があると、前後の当番の家の人と、その三つの町の人が集まって、協議をして決めていました」


箱本館は古い民家を再生した建物

 
 ところで、こちらでは子供たち向けのプログラムもあるようです。
「『箱本キッズ』というイベントを1年単位で開催しています。毎月第3土曜日に、藍染めで巾着袋や箱などを作ってもらっています。大人も子供も、藍染を体験した人のほとんどは、はまってしまう感じです。あまり興味ないけど連れて来られたという方のほうが、逆にはまりやすく、リピーターになって何回もお越しいただいています」

 

  箱本館「紺屋」
 ■開館/9:00〜17:00
 ■休館日/毎週月曜日(祝日の場合は火・水曜日休館)、
      祝日の翌日、年末年始
 ■入館料/大人300 円、小中学生100 円
      *藍染体験は別途実費必要
 ■TEL/0743-58-5531


宮本養魚場で金魚すくいのコツを伺いました。「ポイ」を水の中に斜めに入れて金魚が集まるところへ持っていき、水を切りながら斜めに上げるそうです。そして、水はすくわず金魚だけを上げるということです。どこかで腕試しをしたくなりました。