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大屋川支流で奏でる、八つの滝のハーモニー。
八鹿町、養父町、大屋町、関宮町が合併し、今年4月に誕生した養父市。その養父市大屋町を流れる大屋川は円山川の支流で、山あいを流れる自然そのままの川です。今回はこの大屋川のさらに支流をさかのぼって、兵庫県一の滝、「天滝」を目指します。



  天滝渓谷で“滝づくし”。     <天滝の地図はこちら>
 

しのびの滝

 大屋川支流の天滝川が流れる天滝渓谷入り口。「日本の滝100選」「森林浴の森日本100 選」「兵庫県森林浴場50選」の看板があります。車で上がれる限界なので、ここからはハイキング。「天滝を生かす会」会長の中尾登美夫さんが同行してくれました。
「天滝までは登りで40分、下りで30分、距離にして約1.2キロです。3m以上の落差があるものを滝と呼び、ここには天滝を含めて八つの滝があります。地元では天滝渓谷を『滝の谷』と呼んで親しんでいます」



糸 滝

 1分足らずで最初の「しのびの滝」、続いて、あっという間に「岩間の滝」に到着。
「最初の滝は落差が約3mです。次は渓谷の奥の方に二つ見えますが、二つで落差約5mの『岩間の滝』です。少し離れているものもありますが、滝は次々と現れます」

 急な坂道を上がると、糸が上から垂れ下がっているような「糸滝」に到着。
「落差が約100mです。ここには、ちょっと一服できる場所も設けています」
 先ほどまでは川が近かったのに、ここは20〜30m近く見下ろす位置になりました。
「糸滝の次が、『連理の滝』といって四つほど連なる滝です」

 遠くに見えるのが5番目の滝でしょうか。
「はい、『久遠の滝』です。古くからある滝とか、久しぶりに見えた滝とかいう意味があるようです」
 前に木が生い茂って、少し離れた感じの所に流れています。川が遠くても音が聞こえるのは、水量が豊富ということでしょう。
「渇水の年でも水が枯れたことがないほど豊富です」



夫婦滝
 
 天滝まであと600m、「夫婦滝」に来ました。右と左の両方から滝が流れ出ています。
「水量が多い右が男滝、左が女滝で、それが落ちて一つになっています」


 天滝の一つ手前、「鼓ヶ滝(つづがだき)」はすぐそばで見ることができます。立派な大きな滝です。
「昔はかなり水量が多くて、離れた所で聞くと鼓を叩くような音がするため、この名前が付いたそうです。大きな天滝を見なければ、これだけでも満足できる滝だと思います」


天 滝
 しのびの滝に始まり、岩間の滝、糸滝、連理の滝、久遠の滝、夫婦滝、鼓ヶ滝、そして天滝に到着。他の滝とは水が違い、霧のような細かさです。
「空から降って来る滝ということで『天滝』の名が付いたようです。落差98m、兵庫県で一番大きな滝です。雨上がりで水量が多い時は男性的で荒々しく、渇水の時は女性的でしとやか。1年を通じて奇麗に表情が変わって見えます」
 伝説もいろいろあるようです。
「昔、弘法大師が来て、荘厳な天滝のしぶきに当たり、この地に居を構える考えもあったようです。しかし、ここには谷が99、高野山には100あるということで、結局、そちらに行ったとのことです。また、2才の子供をおんぶや抱っこして、ここの三社権現さんにお参りをすると、子供が元気になる、かんの虫が治まる、といわれていて、今でも4月のお祭りの時には行われています」

 天滝を生かす会について伺いました。
「出来て24年たちます。せっかくこんな滝があるのにごみが散らばっているからと、10人あまりで始めて、今は45〜46名でしています。男性がごみや空き缶拾い、崩れた道の修復やトイレ掃除をし、女性はレストハウスの運営をしています。天滝は全国の100m級の滝の中では珍しく水ぎわまで近寄れる滝です。素晴らしい滝で誇りに思います」