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人々を引きつける、美しくおいしい水
京都府綾部市、綾部駅から1kmほど南東の青い鉄橋が美しく、由良川には深い緑色の綺麗な水がゆったりと流れています。今回は、この美しい由良川をもっと美しくし、由良川をもっと楽しもうという取り組みをしている皆さんを訪ねます。NPOの皆さん、由良川の水で日本酒を造り、その日本酒を使ってカステラを作っている皆さんの話題です。


    川ともっと遊ぼう。            <由良川の地図はこちら>
 

由良川

 最初は「NPO法人由良川流域ネットワーク」の活動について、副理事長の町井且昌さんにお伺いしました。短く「ゆらねっと」とも呼ばれているそうです。
「NPO法人になったのは5年前ですが、その1年ほど前に前身の『由良川懇談会』を作りました。昔一緒に遊んだ連中が飲むために集まり、由良川のことをしゃべり合っているうち、段々と真面目になってきました。平成11年のお正月が最初の集まりで、その時のメモを近畿地方整備局長に見てもらったら、『面白いですね』と過分のお褒めをいただいたので、ちゃんとやろうかということになり、2〜3回会合して法人申請をしました」
 会員は綾部の方ばかりなのでしょうか。
「理事長と私は綾部市で、あとは流域全体、美山町、和知町、綾部市、福知山市、大江町、舞鶴市、宮津市にそれぞれ理事や会員がいます。全体で40人ぐらい、実際に動き回っているのは20人ぐらいです。宴会ではよく集まるんですが」

芦生の森探索
写真提供:NPO法人由良川流域ネットワーク

 どんなことをしているのでしょう。
「川をもっと奇麗にして、川ともっと遊ぼうというのが目的です。私は15年ぐらい前にUターンしてきたんですが、川に入ってみると、今は川底にヘドロがたまってわき上がってきます。由良川は近畿では2番目に奇麗とのことですが、数値はともかく、見た目には汚くなりました」
 具体的な活動についても伺いました。
「最初は、綾部で『川と我らの素敵な関係〜川との対話99年』をしました。NHKの平野次郎さんや俳優の柳生博さん、作家の立松和平さんなどが参加されてのシンポジウムです。その後は、146kmある由良川の上流から順番にテーマを絞ってしていく『リレーシンポジウム』をしました。一番上流の美山町では、四万十川の関係部署の高知県職員にお話を伺いました。次はアユが有名な和知町で、アユ釣り名人に集まってもらってお話を聞き、綾部市では、奈良女子大の秋津元輝先生のお話を聞いた。福知山市では、浦島神社の宮司さんに神社の井戸の水を見ながら浦島伝説のお話を聞きました。浦島神社は元々網野(京丹後市)にあって、地下でつながっているという伝説があるんですよ。それから大江町では、由良川にたくさん渡ってくる水鳥のお話をバードウォッチングしながら聞きました。舞鶴では、元舞鶴市の下水道部長をされた方のお話を、宮津では、千葉県船橋市の漁師さんに来ていただいて、東京湾の三番瀬埋め立て反対運動のお話を聞きました」


和知町で行われた水質検査
写真提供:NPO法人由良川流域ネットワーク
 川と実際に触れあいながらのイベントもあるようです。
「毎年春先に福知山の川原で、サケ放流のお手伝いをしています。『ゆらねっと』が主催したのは、一昨年の『由良川リバーウォーク』です。1回目は、和知町の川岸の旧道を6kmぐらい、和知の漁協の理事長さんの話を聞きながら20〜30人でぞろぞろ歩きまました。最後はカヌー場から、メンバーであるカヌーイストの指導でカヌーに乗りました。2回目は、綾部の位田橋で『但馬野鳥の会』に協力いただいてバードウォッチングをやりました。約600羽、15〜16種類の鳥がいました。渡り鳥も、住みついているカワセミなども見ました。3回目は大江町で、非常に緩やかな勾配がつくる川の景色をテーマに、私の友人である東京工業大学の中村良夫名誉教授を呼んで景観のお話を聞きました。その時は遠くからも参加者がありました」
 


<水の記憶の碑>小公園
 公園の整備にも尽力したとのこと。
「昭和4年に出来た綾部で一番古い橋が、昭和28年の大水害の際に傷み、改修の際に花崗岩で出来た四隅の親柱が撤去されたままになっていましたが、ある綾部市民が親柱を含む小公園を造って欲しいと1千万円を寄付されたので、綾部市、その親柱を所有する京都府、そして国土交通省にも協力してもらい、由良川を見下ろすところに『<水の記憶の碑>小公園
』を造りました。
      
 今年の活動予定はどうでしょうか。
「今年は由良川で遊ぶというテーマで、一つはカヌーをします。カヌーのメッカである和知町で遊びます。もう一つは河原での『芋煮会』です。これは東北地方で非常に盛んで、秋に収穫した野菜やら牛肉やらを大きな鍋で炊いて楽しむものです。できれば、本場中の本場である最上川の芋煮レシピでやろうと。向こうの食材をそのまま持ってきてやろうと考えています。今から楽しみにしています」