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   古代の知恵に防災を学ぶ。
 

出石川防災センター・いずし古代学習館
 豊岡市の南隣、出石そばで知られる出石町は、城下町の風情が漂う観光地で、人口1万1千人の町に年間100万人近い観光客が訪れますが、台風23号の被害が客足に影響しているようです。ここでも、円山川支川の出石川で堤防が決壊しました。この出石町に2003年9月に開館した「出石川防災センター・いずし古代学習館」で、国土交通省豊岡河川国道事務所の井川貴史さんにお話を伺いました。
「ここは古代から中世の出石町の歴史を、見て、触って、体験できる展示館です。下流の六方平野が出水のたびに浸水するため、六方川の水を出石川に放水する『小野川放水路事業』をしましたが、工事の調査時に出石川支川の小野川、袴狭(はかざ)川、入佐(いるさ)川からいろんな遺跡が出てきたため、この施設で展示しています

沖野・赤木両博士を顕彰
 パネル展示や土器、石器、石棺のレプリカ展示などがあり、そのなかに治水に関するものもあります。
「出石の神話として『天日槍(あめのひぼこ)伝説』を紹介しています。朝鮮半島から渡ってきた天日槍は、湖のような状態だった円山川の河口部を掘削して今の状態にし、周辺を田園地帯にしたという、“治水工事”をした神様となっています。また、円山川の水害の歴史や水防活動の展示、円山川の生物の展示、さらに、“治水の神様”沖野忠夫博士や“砂防の神様”赤城正雄博士をビデオで紹介しています。ともに但馬の土木事業の功労者です」

 ここは避難所にもなるようです。
「防災センターとして建てられていて、出水時の避難所、資材の備蓄庫および水防団など水防活動の拠点として設計されています」



円山川の仮堤防(2004.12.7現在の様子)
 ところで、台風23号では2カ所で堤防が切れるなど、大変なことになりました。
「台風23号は円山川に来た過去最大の台風でした。伊勢湾台風をしのぎ、雨量も約300mmになりました。円山川の水位が上がったために樋門を下ろして水が支川に逆流しないようにしましたが、広範囲の浸水には、その支川から水があふれる『内水被害』もありました」

 復旧工事についても伺いました。
「切れてなくなっている状態の堤防をつなげることが先決でした。10月20日に出水し、21日朝から24時間体制で工事をし、26日に仮の土盛りが終わりました。次の台風が近付いていたため突貫工事となりました。本堤防は2005年の出水期である6月15日までに造ります」

 
 
  出石川防災センター・いずし古代学習館
 ■開館時間/9:00〜17:00 *入館は16:30 まで
 ■休館日/毎週木曜日 *祝日の場合は翌日
 ■入館料/無料
 ■TEL/0796-52-7100


昨年の台風23号で大きな被害が出た円山川を訪ねました。二度と起きないことを祈るとともに、災害に対する準備の必要性を改めて感じました。