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   河川整備の“イマ流”
 

リスナーからのお便りもご紹介
久保 番組へのお便りを紹介しながら、具体的な取り組みを伺いましょう。まず、昨年10月に大和川付け替えについて放送した際の感想をいただきました。「大きな公共事業には必ず賛成、反対がありますが、大局に立って考えられるかどうかが大切です(京都市・澤田力造さん)」。
藤本 大和川は今の大阪府柏原市辺りから上町台地の東を北に流れ、淀川に合流していました。1704年、それを堺の方向へ付け替えたわけですが、賛否があり、話が出てから工事着工まで約50年かかっています。今も治水を考える際、上流と下流では利害が異なるため調整が重要です。そこで近畿地方整備局では、河川整備の計画を立てるのに、専門家や地域の状況に詳しい人による流域委員会を設置して、どのように取り組むかを議論していただいています。

久保 「台風でいろんな川が氾濫しています。大阪の川が心配です(大阪市・立花文子さん)」というお便りです。淀川や大和川の対策をお聞かせください。
藤本 淀川や大和川の洪水時の水面は、大阪の道路や鉄道、家よりはるかに高くて、大阪駅付近は淀川の水面から約5m、天王寺駅付近は大和川の水面より約7m低く、堤防が切れると街が水没します。そこで淀川と大和川では、スーパー堤防を造っています。普通の堤防の30倍ぐらいの幅がある緩やかな勾配の堤防で、立ち退かなくてもいいように、その上に家を建てる方法で整備しています。
 
   再生へつながる水辺整備

 
とんぼりリバーウォーク
久保 「この前、道頓堀川で工事をしていました。どうなるのですか(守口市・村上寿男さん)」というお便りですが、先月には工事が終わりましたね。
藤本 道頓堀川は平成7年に一級河川となって水辺整備が始まり、平成13年には国の「都市再生プロジェクト」に採択されました。湊町リバープレイス前から東横堀川までの区間で遊歩道開発を進めていて、昨年12月18日に「とんぼりリバーウォーク」が出来ました。一方、淀川でも、琵琶湖・淀川流域圏の再生が平成15年度に都市再生プロジェクトに指定され、琵琶湖や淀川の水辺を船やサイクリング、ウォーキングで周遊するネットワークづくりの話し合いをしています。大阪市内では、自治体が民間団体等と一緒になって水上カフェや水上タクシーなど水都・大阪の活性化につなげる取り組みを始めています。また、近畿地方整備局では阪神・淡路大震災を契機に緊急物資などを輸送搬入する船着場の整備をしていますが、それを水上交通の拠点にも活用しようと考えています。今後は淀川大堰に閘門(こうもん)を造るなど、新たな水上交通ネットワークを目指します。

久保 「植物の力で水がきれいになるという新聞記事を読みました(堺市・川上美代子さん)」とのお便りです。自然を生かした取り組みはしていますか。
藤本 例えば、淀川では高槻の鵜殿のヨシ原の保全・再生をしています。河川敷を切り下げて、水がうまく入るような事業を17年度も行います。大和川では「清流ルネッサンス」という水質改善対策をしてきており、値が低いほどよいBOD(生物化学的酸素要求量)が、この20年で約12.2から5.3に落ち、環境基準の5に近づいていますが、他の河川も良くなったので、まだワーストの“トップクラス”に位置しています。

久保 最後に今年の抱負をお願いします。
藤本 近畿では、琵琶湖・淀川流域圏の再生や都市環境インフラの再生、水質改善など、いろんな川のプロジェクトが動き出しています。また、関西の「ものづくりの伝統」を生かして、東大阪には人工衛星を飛ばそうという元気な中小企業もあります。地域も企業もNPOも、また個人も、元気の芽が育ってきました。今年は「関西元気宣言」をして、全国に関西の元気を発信していきたいですね。


藤本局長は大阪出身ですし、元気な関西が期待できそうです。番組でも「川ものがたり元気宣言」を行って、今年もいろんな川のお話をお送りすることにします。