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   日本唯一の綿実油。
 

綿花
 柏原市内の岡村製油は、日本で唯一、綿実油を製造している会社です。大和川の付け替えで盛んになった綿の生産と関係がありそうです。社長の岡村博光さんに伺いました。
「綿(わた)の栽培は綿花の収穫が主目的ですが、綿花の中には種子があります。これが綿実で、搾って得られる綿実油はまろやかであっさりしています。マヨネーズやドレッシングの原料になるほか、高級料亭などで使われています。健康面でも優れ、とくにビタミンEの多さが特長です。昨今話題になっている血中コレステロールを下げるという油には植物ステロールが含まれていますが、綿実油は元々ステロールが多いんです」

中甚兵衛像
  創業はいつなのでしょう。
「明治25年、今年で112周年です。当時は近郊でかなりの綿の栽培が行われていて、その綿の実を利用して事業を始めました。現在はほとんど栽培されていませんので、すべて輸入品、主にオーストラリアの綿の実を使っています」

  綿を育んだ大和川はどんな存在なのでしょう。
「現在、工場の前には大和川からの疎水が流れ、川沿いにはクスや桜などの木々も多いんですが、住宅が立て込んできました。 創業当時の面影はまったくありませんが、私たちの原点はこのあたり一面に広がった綿畑で、その綿畑を育んでくれたのが大和川です」


   300年周年記念ワイン。
 

カタシモワンフード
 日本酒、ビールなどお酒造りに水は欠かせませんが、ワインはどうなんでしょう。柏原市のカタシモワインフード株式会社で、社長の高井利洋さんに伺いました。
「一滴も使いません。(水を使ったら)おいしくないですね」

  でも、ここのワインは大和川と関係あるようです。
「大和川改流300周年のことを知り、『大和川改流300周年記念ワイン』を造りました。中甚兵衛さんの陣羽織をデザインし、10代目の中好幸さんのコメントでラベルを作りました。赤と白があります」

記念ワインをテイスティング
 このあたりはワイン造りが盛んだったのでしょうか。
「多い時は柏原に54軒、大阪全体で119軒のワイナリーがありました。土壌がブドウ栽培に適していて、一大消費地の大阪市が近いのも有利でした。ここも大正3年創業で、来年90周年です。現在、ワイナリーは柏原に2軒、大阪全体で6軒です。減ったのは、都市化してブドウ栽培よりマンションを建てて家賃収入を得た方がいいことや、全国でブドウ栽培が盛んになったことなどが原因です」

  高井さんにとって、大和川はどんな存在なのでしょう。
「子供のころは、休みになると大和川で魚を釣っていました。アユもつかんだし、潜っても透き通ってました。今年は改流300年ですが、土地を奪われた人、洪水で苦しんだ人も多かったので、郷土の多様な面を知り、もっと地元に愛着を持ってほしいですね」


 
  大和川改流300周年記念ワイン 
 ■値段/赤白各1575円
 ■製造元/カタシモワインフード株式会社
        0729-71-6334

 *2004年12月末まで販売予定


柏原市で大和川付け替え300周年にちなんだ話題を取材し、川が生活に密着していることがよく分かりました。川がつくった歴史や、それが今も続いていることも実感しました。