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   河原で温泉につかる。 
 

大塔川 奥が冷たい川の水、手前が川湯温泉

 熊野本宮大社がある本宮町に来ました。ここは温泉のメッカとしても知られていますが、そのひとつ、川湯温泉はその名の通り、熊野川の支流である大塔川からわき出ている温泉で、河原を掘るとお湯が出てくるのがユニークです。
 本宮町町史編纂室の坂本勲生(いさお)さん、川湯温泉の旅館「富士屋」のおかみ、小渕祥子(こぶちよしこ)さんに伺いました。まずは坂本さんに川湯温泉の歴史について。
「見つかったのは鎌倉時代以降といわれています。ここの宿の祖先が、本宮大社の神のお告げを受け、川ガラスに案内されてここを発見したという伝説があります」



富士屋旅館の和装水着を借りて
温泉につかる久保佳代

 当時から旅館はあったのでしょうか。
「当時は温泉宿はここにはなく、1kmほど下の対岸に平野の集落がありましたが、ここには温泉と薬師如来が祭られていました。川湯温泉は、その平野と、上流の田代と上大野の三つの集落で管理していたようで、それを定めた文書も残っています。ところが、湯銭をめぐって3集落がもめたことがあります。温泉宿を仕切っていた平野の3人ほどが、温泉を湯樽に詰めて売り出したのが原因で、それを聞いた大野と田代の人が大庄屋に訴えたんです。湯は川船で新宮へ運ばれ、回船で大阪へ送られていました」
 



県警発行の試験成績書
(画像をクリックすると拡大します)
 小渕さんに泉質や効能を伺いました。
「単純アルカリ泉です。100年前に警察が発行した泉質と効能書きの書類をロビーに飾っています。当時は警察が効能や泉質の分析をしていました。昔から一番効くのは痔(じ)だといわれています。婦人病にも効き、飲むと胃腸の病気にもよく、最近はアレルギーのお子さんも来て、温泉をポリ容器で持って帰ります」
 河原の横の川は冷たくても、河原を掘るとそこだけ温かいのが不思議です。
「温泉は向こう岸と川の中、こちらの河原でわいています。70℃あり、川の近くを掘らないと熱くて入れません。川の水を入れるように掘るのがコツです」

 スコップと水着を借りて河原に来ました。掘ると、温泉です。川とつながっていても温かい。いやあ、気持ちいい!



    川湯温泉・富士屋
   ■TEL/0735-42-0007


今年7月、世界遺産に登録された熊野川を訪ねました。川が世界遺産になっているのを実は初めて知りました。もっとこの辺りの歴史や文化を知りたくなりました。