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   わき水で打つ武生のそば。  
 

御清水庵

 次は、武生の名水で打ったそばをいただきに来ました。JR北陸本線武生駅の西側を南に歩くと、「そば席御清水庵(おしょうずあん)」があります。ご主人の新保敬夫(ゆきお)さんに伺いました。
「日野川の伏流水でそばを打っています。御清水という地蔵さんのところにわき水の源があるんですが、今は水位が下がってポンプでくみ上げている状態です。場所は店の裏です。音がしてるでしょ。水は流れっぱなし。店を始めて7年ですが、一度も止めたことがありません。本当にコクのある水なんですわ」



名水で打ったおろしそば

新保さんは、元々そば屋さんではなかったようです。
「元は屋内配線工事の電気屋でした。ある時、配線工事に行った家のおやじさんが、『一服しよう』とそばを打ってくれたんです。その時のそばが本当にうまくて、そばってこんなにおいしいもんかと思ったんですわ。みんなにそば屋でもと言われ、息子に電気屋を任せて店を始めました。最初にそばを打った時は水道水を使いました。武生は水道水が地下水なので非常にいいんですが、塩素でそばの味が変わります。水の味が入ってしまいます。この伏流水がなかったら、そば屋をせなんだかも分かりません」
 そば粉も福井県産のものを使っている店として認定されています。
「福井県産のそば粉は、そばを打つ手触りが全く違います。感触が滑らかなんですわ」




   そば席御清水庵
  ■営業時間/11:00 〜18:00
  ■定休日/毎週月曜日
  ■TEL /0778-21-5088
 

   伝説を伝える名水。
 

解雷ケ清水

 武生市西部の千合谷(せんごうだに)、ここにも名水がわいています。「解雷ケ清水(けらがしょうず)」です。地元にお住まいの前田博さんに伺いました。まずは解雷ケ清水の名のいわれから。
「1400年以上前のことですが、朝鮮半島の百済が内戦状態になり、百済王の娘『自在女(じざいめ)』が国難を逃れ、越前町米ノ浦の干飯崎に上陸して、この地に来たと言われています。その時、従者たちが喉の渇きを訴え、自在女が誓願して雨乞いをすると、雷雲とともに落雷があり、岩間から清い水が流れて来たという伝説があります。『解雷(けら)』は朝鮮の言葉のようです」

 水質はどうなのでしょう。
「千合谷町は、15年ほど、この水を簡易水道の水源としていた時期があり、毎年、水質調査をしていました。今も水質調査は続けられています。無味無臭で、ミネラル分が無いため大腸菌が全くありません。遠く東シナ海まで漁船で積んでいく人もいますが、地元ではあまりPRするつもりはありません。水源を汚したくないという思いが強いんです」

 


福井県武生市を訪ね、さまざまな名水に出会いました。おいしい水とそば、それにまつわる楽しい話で、もうお腹いっぱい、満足です。