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大江町の新拠点づくりは、川が主役。
鬼伝説で有名な京都府大江町に来ました。合併ラッシュのなか、来年の今ごろには福知山市になるここ大江町の歴史の舞台となったのが、大江山と由良川です。由良川は透き通った水をたたえ、町の中心を東西に流れています。その恵みの一つが舟運(しゅううん)で、大量の人、物、情報の交流を生み出してきました。今回は、その舟運を中心に由良川が生み出したものを訪ねます。



  由良川による町づくりの拠点。     <由良川の地図はこちら>
 

由良川

 北近畿タンゴ鉄道大江駅から国道175号を東へ3、4km。「あしぎぬ大雲の里」に来ました。国道をはさんで向こう側に由良川が流れています。大江町産業課の井田一己さんに伺いしました。
「大江町は、大江山の鬼伝説『酒呑童子』による町づくりを行ってきましたが、由良川に軸足を移した町づくりのため、平成6年ごろから、新たに由良川流域の歴史、自然、文化、産業をキーワードにした拠点づくりを進めました。それが『あしぎぬ大雲の里』です。当初は大江町直営でしたが、今は第三セクターの管理です。三つの施設があり、宿泊、研修施設の『大雲塾舎』、鬼のような元気を得ていただくレストラン『鬼力亭(きりょくてい)』、そして、ここ『大雲記念館』です。この地で栄えた平野氏の個人宅を、文化を通じた学習と交流の施設として再生しました」



大雲記念館は旧平野家住宅を使用
(京都府指定文化財)

 まず気になるのが「鬼力亭」でいただけるもの。
「由良川流域は食材が豊富です。肥沃(ひよく)な土地で育った里芋、ゴボウなどの野菜、また由良川で取れるテナガエビ、アユなどの川魚料理です。一方、『大雲塾舎』は宿泊定員が20名ほどで小グループの研修に最適です。研修の間にくつろぐためのサロン、温泉ではありませんが四季折々の薬草を使った薬草風呂では、由良川を眺めながらのんびり出来ます」

 旧平野家を使った「大雲記念館」は価値のありそうな建物です。
「平野家は大江に代々栄えた家で今16代目です。明治42年に建てた住宅を町に寄贈いただきました。平成8年に『大雲記念館』として開館しましたが、別名が『平野家住宅』で、京都府の文化財に指定されています。多角的に検証すると、非常に価値の高い建築物です。ここは土地が三段の屋敷構えで、以前は一つ下の段に建っていたようです。横を流れる由良川が氾濫して何度も洪水に遭い、最終的に明治42年、川から20m以上は上にあるここに建てられたようです。


大雲記念館内部の展示
大江町の人々は川と大きく関わっています。元々、由良川は舟運の川でした。陸路の交通手段はなく、大正から昭和初頭までは、宮津や舞鶴から福知山まで、塩や乾物、海の幸を帆掛け舟で運び、またプロペラ船が福知山と舞鶴の神崎間を往来し、元伊勢神社の参拝客も運んだという記述が残っています。平野家は高瀬舟2艘の船株を持ち、舟役として船の運航を統括し、舟運業を営んでいました。川との関わりが強かったわけです」

 


   大雲記念館
 
 ■開館時間/9:00〜17:00
 ■休館日/毎週月曜日、祝日の翌日、年末年始
 ■入館料/大人300 円、高校生200 円、小中学生150 円
 ■TEL/あしぎぬ大雲の里0773-57-0168