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そうめん、しょうゆを乗せ、高瀬舟が下った川。
暑さも今が盛り。夏バテ気味の時は、そうめんが食欲をそそる。そこで、そうめんで有名な兵庫県龍野市に来た。ゆったりとした揖保川の流れに守られるように、古い街並みを残す城下町だ。揖保川はしょうゆも生み出している。また、この地は童謡「赤とんぼ」の作者・三木露風の出身地でもある。



   水のたまもの、播州そうめん。   <揖保川の地図はこちら>
 

揖保川
 JR本龍野駅から車で北へ5〜6分、揖保乃糸資料館「そうめんの里」に来た。資料館の寺田由美子さんに、施設について伺った。
「3階建てですが、1階には、売店、製造室、奥にレストラン、中庭にそうめん流しのコーナーがあります」
ガラスの向こうに、そうめんづくりの工程を見ることができる。ガラスの前には、横長の棒があり、たくさん穴が開いている。
「『ハタ』という、そうめんを延ばしてさばく道具です。たくさんある穴に管を差し込み、長いはしでさばいて延ばします。門干(かどぼし)といいます」

 

 


門干

 その奥に絵馬が展示されている。
「明治のそうめんづくりの様子を描いた貴重な絵馬で、明治28年のものです。元は大神(おおみわ)神社、通称そうめん神社に奉納されていた絵馬で、龍野市の指定文化財です。まず原料の小麦粉、塩水を桶でこねる作業が描かれています。次にこねあわせた塊を、職人たちが足で踏んで平らに延ばしています。現在は足で踏むことは少なくて、ローラーで延ばします。下段は、柱のようなめん棒でさらに延ばしている様子です。それを渦巻き状にして包丁で5cm角ほどに切断し、機械で細く長くひも状に延ばします。1本が300mになります。およそ2人前半の量です」

 2階の展示も見せていただいた。
「そうめんの歴史や文化を展示しています。手延べそうめんが出来るまで、そうめんの歴史や文化史、播州そうめんの歴史、播州の風土と手延べそうめんの紹介です。昔の道具、シアター、加工場、熟成倉庫をご覧になれます」

 

 


門干体験ができるレプリカもある
 体験コーナーもある。さて、揖保乃糸の特徴は何だろう。
「約36時間かけて作る『2日間製法』が大きな特徴です。麺は、ゆでのびしにくく、滑らかで舌ざわりのいい食感です」

 播州でそうめんづくりが始まったのはいつごろだろう。
「室町時代、約600年前にさかのぼります。揖保川の水、赤穂の塩、龍野市でも栽培されていた小麦、そして、播州平野の雨が少ない気候がそうめんを生みました。そうめんには軟水が最適で、揖保川の水質がうってつけでした。また鉄分が少なくカルシウムを含まない水が、そうめんを白く仕上げます。ここでは年中、工程を見られますが、実際は寒冷期の10月から4月までが製造期間です。生産したものを熟成倉庫で寝かせます。1年以内に出荷するものが新物、翌年の夏まで1年以上寝かすものは古物(ひねもの)です。寝かすことでコシと歯ごたえが出て風味も良くなります」

 

 


  揖保乃糸資料館「そうめんの里」
 ■開館時間/9:00〜17:00
 ■休館日/毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
 ■入館料/大人300 円、中高生200 円、小学生100 円
 ■TEL/0791-65-9000