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 夏の風物詩、貴船の川床。   <貴船川の地図はこちら>
 

貴船の川床は川の上まで出ている

 この時期、貴船川には多くの川床がかかる。京都市街地の川床は河原までだが、貴船は川の上にまで出ている。貴船神社鳥居前の「貴船ふじや」で、若おかみの藤谷麻紀さんに伺った。
「おこしやす」

 雨上がりで川床は出ておらず、部屋の中だが涼しい。市街との差は約10℃。自然のクーラーだ。貴船の川床の発祥はここ「ふじや」とのこと。
「創業は170年ほど前の天保年間で、今は11代目です。川床は、8代目の駒次郎が、大正時代に茶店のようなものをやっていましたが、夏の間、川に床几(しょうぎ)を置き、そこで足を濡らして涼んでいただいていたのが始まりです。当時はまだ、お料理はお出ししてなかったんですが、昭和初期に電車や京都バスが開通して人通りが増え、お客様が食べたいとおっしゃいましたので、9代目が今の形にしました」




これぞ「貴船の料理」!
 川床料理は敷居が高い。手軽にいただけるんだろうか。
「川魚専門店で山菜と川魚を織り交ぜたお懐石ですが、河床の期間をのぞいて4500円のミニ懐石のお膳もお出ししています。普通のお料理は、年中変わらず9000円のコースからで、川床期間中だけ、お席料としてお1人様1000円頂いています」
 貴船川についても伺った。
「こちらに来た10年前は、正直、少し汚いと思いましたが、ここ2〜3年きれいになってきたように感じます。各お店で専門家の方からいろんなアドバイスを頂くなど、川を汚さないようにという意識が高まっています」
 上下水道ともないのに、きれいになっているのだ。
「きれいといっても限界があります。上水道は今、工事中ですが、毎朝、川掃除は欠かせませんので、早く下水道もお願いしたいと思います」

 料理が出てきた。京都の料理は目でも楽しめる。
「見た目も涼しげにしています。食前酒、じゅんさいのとろろがけ、枝豆の入った水無月ゴマ豆腐、ふきのとう、黒竹の白和え。ウニを衣にして揚げた一寸豆のウニ和え、カワエビのつや煮、ウナギの二段松笠です」
 細やかなこだわり。京都ならではだ。



    貴船ふじや
   ■川床/9月23日まで
   ■TEL /075-741-2501



貴船川を訪ねた。料理の数々、澄んだ空気と清らかな水。命の源に全身で触れた感じがした。