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川をさかのぼり、アマゴと遊び、不思議と出会う。
奈良県川上村。紀の川水系吉野川(紀の川)の澄んだ豊かな水が流れて、山の緑と赤い鉄橋のコントラストが美しい。日本で最も雨の多い地域・大台ケ原に降る雨は、山に染み込み、ミネラルを吸い込んで吉野川の源流となり、紀の川へ、紀伊水道へと流れていく。雨は、吉野杉をはじめ豊かな自然を育んでいる。



 アマゴを学ぶ。    <吉野川(川上村)の地図はこちら>



中井渓谷自然塾

 川上村北部の中井渓谷に来た。吉野川の支流の中井川が流れる。水が澄み、川底が見える。ここは、釣りや魚のつかみ取り、バーベキューもできる「中井渓谷自然塾」だ。施設を運営する中井渓谷漁業組合組合長の中西昭夫さんに伺った。本当に水がきれいだ。
「上流から流れている水は、この村の人が飲料水にしとるんですよ。このまま飲めます。大きな雨さえ降らなければ、濁ることもありません」

 この施設について伺った。
「平成11年にできました。川の権利を持つ川上村漁業組合に、放流釣りの許可をもらって運営しています」


 



つかみ取りにチャレンジ
 建物の中に入った。「あまごの家」という施設だ。休憩や食事ができて、ビデオやパネルで、アマゴの釣り方や料理について、また、中井渓谷や吉野川の魚について学べる。アマゴはもちろん、アユ、コイ、ドジョウの仲間、アブラハヤ、ヌギツクなど多様な魚がすんでいることが分かる。
「開発で天然ものが減ってきたため、養殖して川へ放流し、皆さんに楽しんでいただいています。アマゴとマスを大体1.5 トンずつ。それでも足りず、よそから買い足しています」

 ここでは、アマゴは釣りのほか、つかみ取りもできる。
「どちらも1kg放流して1人4000円です。つかみ取りは、1棟2000円でバーベキューコーナーを利用してもらい、つかんだ魚を焼いて食べてもらえます。合計6000円のほかに炭代と網代がいりますが、釣りと違って放流した魚は全部取れるのでお得です」
 つかみ取りに挑戦したが、逃げるのが速い。近寄って隅に追いやって…ちょっとだめだ。


  中井渓谷自然塾
 ■営業時間/8:00-16:00
 ■休み/1月1日
 ■アマゴ(釣り・つかみ取り)4000円(1kg放流)、
   貸さお300円、餌600円
 ■TEL /07465-3-2441
 
 幻の水、幻のコーヒー。  
 

楠里水
中井渓谷から南へ、吉野川を上流方向に来た。「楠里(くすり)水」と呼ばれる湧き水がある。水源地は社になっていて、ボコボコという音で湧き出ているのが分かる。そこから少し下った吉野川の川岸にある、喫茶「秀(ひで)」の中川秀雄さんに伺った。
「吉野、とくに川上には谷の沢から湧いている水が多いんですが、この水は何もない場所から湧き出ているので、『幻の名水』といわれています。この店は私で3代目ですが、水は枯れたことがなく、どんどん出ています」

 いわれはあるのだろうか。
「弘法大師が熊野へ行く道中、この近くの民家でおばあさんに水を頼んだところ、なかなか出て来ない。立ち去ろうとすると、おばあさんが帰って来た。遅かった理由を尋ねると、この柏木というところは、昔から水が少なく、川までくみに行っていたと答えた。すると大師は、周辺を歩いて錫杖(しゃくじょう)を突き立て、ここを掘りなさいと言って旅立った。そこを掘ると水が湧き出たそうです。柏木の約160軒の住民は、23年ほど前に水道が完成するまで、みんなこの水で生活していました」

 由緒ある水なのだ。ただ、この辺は鍾乳洞もあって、石灰岩が多いはずだ。
「周辺はほとんど石灰岩ですが、不思議にこの水は石灰岩が含まれていません。純粋なアルカリ水です」
 水源地には水くみ場がある。手にくむと冷たく、味には甘みがある。
「この水を甘いという人は素直な人です。水にも味があることが初めて分かったという人もいます。皆さんには、『久しぶりにコーヒーらしいコーヒーを飲めた』と必ずまた寄っていただいています。はまる水ですねん」

  
   喫茶「秀」
   ■営業時間/8:00-16:00
   ■定休日/無休
   ■TEL /07465-4-0640
    *「楠里水」の問い合せも喫茶「秀」へ