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山の中で聞こえる、遠い紀の川の音
和歌山県橋本市。一級河川・紀の川の恵みの下に広がる街だ。北は大阪府河内長野市、東は奈良県五條市に接する。橋本駅の南側を東西に流れる紀の川。上流へさかのぼると五條市に入り、名前も吉野川と呼ばれる。5月26日、アユが解禁になった。今年は初遡上(そじょう)が3月29日と遅く、解禁前は小ぶりと伝えられていたアユ。今はどうだろう。今回は、アユ釣りも体験できそうな紀の川沿いで楽しむ。



 6キロメートルはるか、川の音。    <紀の川の地図はこちら>



不動山の巨石

 橋本市北東部、杉尾地区。明王寺の本堂前から635段もの階段を上っているが、ようやく半分だ。この上には、紀の川の音が聞こえるポイントがあるという。6kmも離れている山の中で、なぜそんな音が聞こえるのだろう。今、耳にするのは鳥の鳴き声だけだ。真相を探るため、最後まで上ろう。
 上りきった。大きな石がある。「不動山の巨石」だ。直径約20cm、奥行き約25cmの穴に耳を当てると、神秘的な音が聞こえるという。昔から「この世の音・あの世の音」といわれ、霊験あらたかなものとして多くの人が参り来るそうだが、紀の川の音ともいわれている。さっそく聞いてみる。「あの世の音」のイメージだ。吸い込まれていきそうな、心落ちつく音だ。
 平成8年、当時の環境庁の「残したい日本の音風景100 選」に選ばれた。山深い杉尾はかつて不便な地域だったため、村人たちはこの音を通じて、簡単に行けない紀の川への思いをはせたようだ。曇ると音がはっきり聞こえ、晴天が続くと聞こえなくなることもあるという。水量の関係だろうか。そんな話を聞くと、やはり川の音かなと思う。この音と635段の階段。音も風景も、ぜひ残しておきたい。

 

 

 

 

 

 

 







 釣って、その場で舌鼓。  



根古川渓流

 国道371号を河内長野市方面に北上。橋本市北端、南海高野線紀見峠駅から5分ほど歩くと橋本市根古川(ねこがわ)漁業協同組合がある。そこからさらに10分ほど上流に来た。紀の川水系根古川。ここには、空気、緑、せせらぎ、カジカガエルの鳴き声があり、釣りが楽しめる。広大な金剛生駒紀泉国定公園の中にあり、温泉も湧き出ている。橋本市根古川漁業協同組合組合長の弓手良一さんに伺った。
「この辺りは、まだ自然がそのまま残り、開発の手が入っておりません。森林浴や渓流釣りに非常に適しています」

 何が釣れるんだろう。
「今は遡上する魚が少なくなっていますが、ここで釣れるのはアマゴが中心です。ただし、アマゴは警戒心が強く、人の気配を感じると出て来ません。この谷も昔はもっと深かったんですが、山が荒れて川も浅くなったため、シーズンを10月から3月までの人が少ない時期に変更しました。今の時期は、下流にある管理釣場でニジマスを釣っていただけます。貪欲で釣りやすい魚ですよ。さおも餌もありますので、釣った魚を持ち帰る物だけあれば十分です。また、7月から9月中ごろまで、子供さんにはつかみ取りも楽しんでいただけます」

 

 

 

 

 

 

 





 




久保佳代もニジマス釣りにチャレンジ


 ニジマスをその場で焼いて食べることはできるのだろうか。
「できます。炭で焼ける『焼き缶』があります。料金(炭代)は、2〜3人用の一斗缶が500円、団体用のドラム缶を半分に切ったものが2500円です。魚は焼きたてがおいしく、匂いもたまりません。自然の中で食べると、また別な味がしますね」

 協同組合事務所には「にじます食堂」もあった。
「そこで調理もします。例えば、25cmほどの大きめのマスなら洗いにします。匂いがなくなり、非常においしいんですよ。鮮度の問題があるので、マスの洗いは家に持ち帰ってするより、その場でしめるのが一番です。他には、唐揚げやフライ、南蛮漬けもおいしいです」

 

 

 

 

 

 

 








釣ったニジマスを調理してもらった



 調理代は1匹200円。釣らずに料理だけいただくこともできる。塩焼き、フライ、洗いが1人前600円だ。しかし、豊かな自然を楽しみながら、自分で釣っていただくのが何よりだろう。協同組合のすぐ上には国民宿舎「紀伊見荘」もあり、ゆっくりできる。カジカガエルも歓迎してくれるかも。
 マス釣りに挑戦した。いけすのような所に30匹ほどいるそうだ。餌はぜいたくなイクラだ。来た、来た、釣れた!
 釣ったあとはマスづくし。塩焼きのいい匂いがしてきた。釣った分は、しっかりといただいて帰ろう。


    橋本市根古川漁業協同組合
     「ニジマス釣り」
   ■時間/5〜10月=8:30〜18:00(受付16:00 まで)
        11〜4月=8:30〜17:00(受付15:00 まで)
        *ともに日祝は8:00〜
   ■定休日/12月31日、1月1日
   ■入漁料/男性3000円、女性2500円、小学生以下2000
        *貸さお1本160円、イクラの餌1カップ420円
   ■TEL /0736-36-3424