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源流の町・一宮町で、“i”を探す。
 兵庫県に一宮町は二つある。津名郡一宮町とここ宍粟(しそう)郡一宮町だ。揖保川が流れ、その代表的な源流である藤無山がある。揖保川は総延長約70kmで、山崎町、新宮町、龍野市などを経て播磨灘に注いでいる。この町のキャッチフレーズは「i(あい)のまち」と「愛、そして逢いのまち、iからはじまるいちのみや」だ。iはいろいろ解釈できる。豊かな自然の中で自分を取り戻せるから私のi、インタレストのi、そして、揖保川のi…今日はこの他、いくつiが見つかるのだろう。



  七滝七不動、名水がある行者堂。     <揖保川の地図はこちら>
 

揖保川

 

 一宮町伊和地区、「伊和の行者堂」。滝と不動明王が一つになった七滝七不動めぐりのコースの一つだ。敷地内に名水七選の一つ「延命水」もある。一宮町や伊和の歴史に詳しい中村長吉さんに伺った。今日は雪がすごい。
「今年はとくに多いようです。4月の桜や10月の紅葉のころなら、花もモミジもたくさんあってええとこですが」



行者堂



 七滝七不動はどんないきさつで選ばれたのだろう。
「昭和61年当時、会長を務めていた文化協会で町づくりを考えるなか、町の92%を占める山の恵みである水と、町内にたくさん祭ってある不動尊を使い、七滝七不動の選定を思いつきました。この伊和の行者堂は以前「こもり堂」と呼ばれ、奥の滝に打たれた後、白衣を着直して、一晩、般若心経(はんにゃしんぎょう)を唱えるところです」

 延命水はお堂の御手洗(みたらし)の水にも使われている。名水七選はいつ選ばれたんだろう。
「平成11年です。水質、水温、水量が変わらないことを基準に、一宮町当局が各地区から募集した130ほどのなかから選びました。研究所で水質を検査し、純粋な水を選んだわけです」



行者の水(左)と延命水は温度が違う



 延命水の横には「行者の水」もある。
「行者の水は谷川の水で、行者堂が出来たころから身を清めるために使われていたのでしょう。延命水の方が後です」

 二つの水を飲み比べてみる。行者の水は冷たいが健康にいい感じがする。延命水の方がぬるい。
「延命水の方が温かい分だけ、まろやかでしょう。ようけ飲んでください」


  「文殊の水」を飲む。   
 

文殊の水
 福知渓谷は雪が深い。福知地区には「文殊の水」がある。福地渓谷は兵庫県の観光百選に選ばれ、文殊の水も人気がある。福知自治会会長の植木和幸さん(写真左)に伺った。
「200mほど上の山から送水しています。昔は農業用水として利用されていましたが、夏も冷たすぎて稲に良くなかったようです。平成元年に『ふれあい市場』をここに開設した時、この上にええ水が出よるので、ここへ持ってきて利用してもらったらどうかということになり、4年後に水くみ場を設置したわけなんです。1000年ほど前、天橋立の文殊菩薩の分身をいただき、ここから4kmほどの所にある氏神の早玉神社に合祀し、節分にお祭りしています。平成元年には若者たちによって『文殊会』が結成されていて、地域おこしのため名前を統一しようと、ここも『文殊の水』にしました」
 

ふれあい朝市が行われる小屋
 4カ所の取水口から絶え間なく水が流れ出ている。癖がなくおいしい。
「水温は14度ほどです。コーヒーや味噌汁に使うと最高。これで炊いたご飯は長持ちします」

 少し離れた所にある小屋について、自治会副会長の上川昌之さん(上の写真右)に伺った。
「あれが『ふれあい市場』です。田舎の新鮮な野菜を販売しています。店は4月から12月までの土曜、日曜、祝日に開きます。ただし、夏休みは毎日です。今は雪で閉ざされていますが、4月から開きます。また来てください」