瀬田の唐橋は、近江八景「瀬田の夕照(せきしょう)」で知られる名橋だ。その少し西に唐橋焼窯元がある。そこに、若山義和さんを訪ねた。店頭には、ブルーとピンクを基調にし、フクロウをかたどったり、図柄を入れたりした焼き物が並ぶ。 「目を閉じて夢を見ているフクロウです。見た人が夢をはぐくんでくれる、そんな思いで目を閉じて夢を見させています。焼き物には情景が織り込まれます。ブルーは子供時代の瀬田川の色、ピンクはその川面に移る夕焼け(夕照)の色です。色を出すため、薬を5層重ねています。そうすると窯の中で変化をし、5層が入り交じってこの色が浮かび上がります」
なぜフクロウなんだろう。 「修行時代、試行錯誤していたときにフクロウを見たんです。十二支の13番目は猫。フクロウを14番目にと思ったんです。ただ、日本ではフクロウは怖い存在でした。鋭いくちばし、目、つめの猛禽類です。そこへ、外国のフクロウ文化が入って来た。ギリシャ神話では森の哲学者、アメリカでは子育て上手なイエブクロウ。東南アジアでもハッピーバードです。私が始めたのと、そういうのとが重なりました。そして、平成3〜4年ごろ、みんな外国からの土産にフクロウを持って帰るようになりましたが、日本にもあるやないかと、多くの人がここへ来てくれるようになりました」 陶芸教室も行われていて、唐橋焼の「琵琶湖ブルー」のマグカップが自作できる。 唐橋焼窯元 ■営業時間/10:00〜19:00 ■定休日/年始のみ ■場所/京阪唐橋前駅近く ■TEL /077-537-0543