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  9割の全国シェア。   <東条川の地図はこちら>
 

東条湖

  東条湖のほとりにある「アクア東条」に来た。バルコニーから東条湖が一望でき、水槽には淡水魚や動物が展示されている。東条町役場地域産業課の生信(いけのぶ)孝司さんに伺った。
「アクア東条では、東条川流域の水資源維持・利用、漁場保全のため、流域住民や内水面利用者及び観光客に、河川流域資源の保護利用、内水面の自然の大切さを理解していただいています。また、あわせて地場産業品の釣り針なども紹介しています」



アクア東条
 50以上ある水槽の中の魚たちは、実際に東条湖にいるのだろうか。
「かつてはワカサギなどいろいろいましたが、ブラックバスなど外来種に食べられ、あまり見なくなりました」
 絶滅寸前のメダカは、最近あちこちで見られるようになったそうだ。下水道管理で水が奇麗になったためと思われる。子供に人気のカメやカニもいるとのこと。

 ところで、ダム湖である東条湖はどのようにできたのだろう。
「東条川の支流の鴨川をせき止めた鴨川ダムが、昭和26年に完成しました。また、平成3年には大川瀬ダムも造られ、補給水が入ってきています」


 釣り針も展示・販売
 次に、アクア東条を管理する兵庫県釣針協同組合の辻康信さんに伺った。兵庫県は釣り針製造で全国一のシェアとのこと。
「私ども兵庫県釣針協同組合と播州釣針協同組合の二つで、全国生産の90%以上と思われます。ただ、釣り針を1本1本数えるのは不可能なので、材料からの予測値です。釣り針作りは、小寺彦兵衛という翁が土佐から作り方を持ち帰ったのが始まりという説などがあります。彼が亡くなって135 年になります」

 なぜ他の各地で釣り針作りが盛んにならなかったのだろう。
「釣り針は、10年20年と長いキャリアをもって仕上げる物なので、すぐにはできないでしょうね」
 東条川はこの町の人にとってどんな存在かを、生信さんに伺った。
「私はもうすぐ50才ですが、高校時分までは学校にプールがなく、誰もが東条川で泳ぎ、コイやアユを取っていました。アユはとてもおいしかった。そのころまで奇麗で、この水槽にいる魚を実際に目にしました。その後、水質が悪化しましたが、下水道の整備で少しずつ奇麗な水に戻っています。東条川は住民全員の宝物で、誰もが大切にしています。昔の状態に戻すため、環境問題に取り組んでいます」
 

    アクア東条
  ■開館時間/10:00〜16:00 (10〜2月)
         9:30〜17:30 (3〜9月)
  ■休館日/毎週木曜日、年末年始
  ■入館料/無料
  ■TEL/0795-47-0505
 
兵庫県東条町の東条川を訪ねた。川との触れあいが、子供たちの自然環境に対する意識を高め、大人たちも変え、地域ぐるみで自然を大切にしようという気持ちにさえした。そんなことが実感できる、素敵な話が伺えた。