
福井明先生(右)
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どんな授業をしているのだろう。
「1年生と2年生は、東条川の源流になる篠山市の黒石ダム近くの川で、魚やサワガニを取りました。水が奇麗で、石の裏にサワガニがいるのも発見しました。3年生は東条川の水生生物をテーマに、『兵庫県立人と自然の博物館』の方とビオトープを作り、水生生物を育てています。3学期には博物館で話を聞き、水生生物の標本を作る予定です。4年生は、上流、中流、下流と東条川を追いかけ、水質調査をしています。水の透視度や電気伝導度の測定です。電気伝導度は、数値が高いほど水が汚れていますが、3年前より低い値が出ました。下水道がほぼ全域で整備された影響かもしれません。5年生は、『兵庫っ子・米づくり』体験事業を中心に、米作りと川の関係を学習しています。山田錦やコシヒカリなど8種類の米を作って、食べ比べました。6年生は環境問題がテーマで、今年は酸性雨に焦点を絞り、その原因や世界的な被害を調べるグループ、原因の排気ガスを実際に集めて溶かした水が酸性になるか実験するグループなど、12グループに分かれて発表し、情報交換しながら学習しています」
学習を通じての目標のようなものはあるのだろうか。
「大人になっても、川を気にかけてほしいですね。今、中学2年の女子生徒が、6年生の時の作文に『池や川や生き物、土や土に住む生き物も、一つの円になっていると思う。自然のつながりは“だるま落とし”と違い、つながりを壊さず抜くことはできない。人はまるで危なっかしい下手なハンマーだ。生き物たちが土や水を奇麗にして地球を支えてくれる。この生き物たちが死んだら土や水も死に、土や水が死んだら他の生き物が死んでしまう。それが人の手で左右されるんだ』と書いています。共につながって生きていると思います」
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