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  おおらかで強い川に。   <芥川の地図はこちら>
 

摂津峡公園の芥川

 あくあぴあ芥川から芥川を上流へ1kmほど、摂津峡公園は南北1kmほどある公園で、美しい「白滝」や「八畳岩」などがあり、紅葉が最後の美しさを見せている。春には3000本の桜の木が花をつけ、全国47都道府県の木を植えた「樹木教材園」もある。茨木市から来た釣り人に話を聞いた。ニジマスなどが釣れ、今まで最高15匹ほど釣ったそうだ。この川にはそれだけ魚が居る。芥川は気軽に自然を楽しめる場所だという。
 あくあぴあ芥川近くの川沿いに戻った。ここは野鳥にとっても天国のようだ。この時期、ユリカモメなどの渡り鳥が見られるとのこと。「日本野鳥の会」の小山朋子さんに伺った。
「野鳥の観察は1996年ごろからぼちぼち始め、根を詰めだしたのは最近です。この季節に芥川沿いで比較的簡単に見られるのは、冬鳥として来るユリカモメ、冬のカモ類であるコガモ、マガモ、オナガガモなどです。カワウ、ハクセキレイやタカの仲間、小鳥も来ます。100種類まではいきませんが、かなりの数が来ます」



芥川の野鳥
 こんな鳥も居るのか、という発見もあったのだろうか。
「フクロウを見ました。夜、川沿いを歩いていたら丸い顔が飛んで来て、見上げるとフクロウでした。4月の8時ごろだったと思います。フクロウは夜活動します。“今から出勤”だったんでしょう。びっくりしました」

 ユリカモメはいつ来るのだろう。
「11月ごろから4月下旬まで日本にいます。今年芥川で初めて見たのは、11月第1週。電車からです。数は淀川の近くが多いと思います。私の観察ポイントは国道171号とJR京都線の架線の間で、20羽ほど見られます。淀川は餌の条件がいいんでしょう。ユリカモメは、沿岸地域はもちろん、少し内陸にまで入り込んだ小さな川や湖沼などでも越冬します。川の合流など環境が多様な方が、雑食性のユリカモメにとって餌がいいのでしょう。4月下旬には、繁殖のためユーラシア大陸の中央部に帰って行きます」


芥川の野鳥
 羽の色が季節で変わるそうだ。
「ユリカモメには夏羽と冬羽があり、私たちが見るのは冬羽で、顔が白く目の横に墨で書いたような斑があります。4月に北へ戻っていく時は夏羽(繁殖羽)になり、顔全体を墨で塗りつぶしたような黒褐色になります。ただ、時々、5月の連休ごろまで帰らない個体がいて、日本に居る時から黒くなっています」
 野鳥の会に入って、鳥だけでなく川や山、天候も見るようになり、自然に敏感になったそうだ。
「そういうことは、野鳥にとっては生死の問題で、繁殖の時期はとくに気にします。私は鳥を通じて、植物好きな方は植物を通じて、こうしてほしいということはあります。犬の散歩を通じて道をこうしてほしいと感じる方も居るでしょう。上手に折り合いをつけて、清濁併せのむ雅量のある強い芥川であってほしいですね」

高槻市を流れる芥川を散策した。都市河川の芥川に、これほど多くの魚や動物、昆虫、植物が息づいていることに、本当に驚いた。