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この川が生む、景観、生命、味を楽しむ。
紅葉の季節だ。関西には神社仏閣など紅葉の名所が多く、街に山が迫っているため近場で楽しめる。今回は大阪の紅葉ポイントの一つ、箕面川が流れる大阪府箕面市に来た。箕面川は箕面市、池田市など大阪府北部から兵庫県伊丹市に入り、猪名川に合流する一級河川だ。今回は、大阪の都心からも近いこの川を楽しむ。



  戦いの合間に信長が訪ねた滝。     <箕面川の地図はこちら>
 

箕面の滝

 
 箕面の滝に来た。阪急箕面駅を北へ行き、箕面公園に入ると渓谷が続く。流れているのは箕面川。箕面の滝は公園の最北にある。木々の間から滝が流れ出る、その姿と音に心が洗われる。この辺りは修験道の修行場だったが、明治31年、大阪府の自然公園になった。明治43年、今の阪急電車が開通すると行楽地として人気を博し、動物園や観覧車もできたが、現在は自然が美しい公園に戻っている。昭和42年、明治100年を記念して東京都八王子市の高尾山と共に「明治の森国定公園」に登録され、その後、箕面と高尾を結ぶ1700kmにも及ぶ東海自然歩道が整備された。



箕面川

 
 滝は高さ33m。紅葉は例年、11月23日前後が最も美しく、12月には枯れ始める。滝は古くからの名勝で、箕面市立郷土資料館所蔵の「摂津名勝図絵」にも描かれている。「信長公記」には、織田信長が伊丹城を兵糧攻めにした際に見物したと記されている。また、松尾芭蕉や野口英世などの有名人も訪れている。江戸時代の儒学者で詩人の頼山陽(らいさんよう)が老母と過ごしたことから、「孝養の滝」とも呼ばれ、その時の詩が「頼山陽碑文」に刻まれている。滝を見た唐人が、その大きさに恐れ逃げ帰ったという伝説を持つ「唐人戻岩」、そして「天狗鼻」などの名所もある。

箕面公園管理事務所/072-721-3014


   まず触れてほしい。
 

箕面昆虫館の放蝶園

 

 滝からぐっと下り、箕面公園昆虫館に来た。昭和28年に開館した大阪府営の昆虫館だ。久留飛(くるび)克明館長に伺った。
「開館時は木造の小さな昆虫館でした。昭和56年に鉄筋に建て替えられ、平成4年に放蝶園を含めた建物が完成しました。昭和56年から、生きた水生昆虫9種類を展示するようになっています」
 

 

放蝶園に舞う蝶々
 見て触れて楽しんで学ぶ。10テーマに分けての展示だ。水生昆虫のコーナーもある。
「今年の夏、ゲンゴロウが死んだので秋田県から分けてもらいました。この辺りにはほとんどいませんが、秋田の湿原には生息しています。生物には個体に合った水、餌、繁殖環境が必要です。ゲンゴロウは水中に生息しますが、さなぎになる時は陸に上がり土に潜るため、コンクリートの池では駄目なんです。この辺りは自然豊かなところですが、昔の緑とは違います。それでも、東京の高尾と京都の貴船、大阪の箕面は、昔から昆虫が多いことで有名です。毎年6月中旬には、ここで蛍の観察会を行います。箕面川はゲンジボタルが多く、参加者は梅田から40分で蛍の群れを見られることに感激します。昆虫のことを分かりやすく伝えるのが昆虫館の役割。昆虫のことを知らないから、気持ち悪いという意識が先に立ちます。触れてみて、面白い、速い遅い、硬い軟らかい、そんな経験が減っている感じです」
 


    大阪府営箕面公園昆虫館
  ■開館時間/10:00 〜17:00 (入館は16:30 まで)
  ■休館日/毎週火曜日(祝日の場合は翌日) *夏休み期間中は無休
  ■入館料/270円 *中学生以下無料
  ■TEL/072-721-7967