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川を中心に、街が動く、心が動く。
京都市伏見区の宇治川のほとり、観月橋の西は、酒蔵が集中する地域だ。琵琶湖に注ぐ川は
120本あるが、流れ出る川は瀬田川だけ。瀬田川は宇治川と名を変え、この先の京都府八幡市と大山崎町、大阪府島本町と枚方市の境界辺りで、桂川、木津川と合流して淀川になる。ここ伏見では今、川を利用した街づくりが行われ、観光拠点がオープンし、十石舟も運航されている。今回は、宇治川と伏見の魅力を探る。



   街づくりのテーマは「川」。     <宇治川の地図はこちら>
 

宇治川

 宇治川から北へ300m、「伏見夢百衆」に来た。施設や街づくりのことを、株式会社伏見夢工房の永山恵一郎さんに伺った。
「伏見夢工房は、1年半ほど前に地元主導の第三セクターによる街づくり会社として立ち上げられました。商業と観光を中心にして、街を活性化させていこうという会社です」

 東西に宇治川が流れ、宇治川から北に濠(ごう)川が流れる。秀吉の伏見城築城の際、堀の役割を果たしたそうだ。濠川を北へ700〜800m行くと、東にまた川が流れて三差路のようになっている。
「その川は宇治川派流と呼んでいます。宇治川は昔、水位が非常に高くて城下町の中に水が入ってきていました。だから宇治川派流です。今は天ヶ瀬ダムにより宇治川の水位が安定していて、逆に北の琵琶湖疏水から宇治川方向へ流れ込んでいます。伏見は川に囲まれ、酒蔵やユキヤナギなどが残る地域です。平安時代は都人の遊興地でした。その後、太閤秀吉が伏見城を築き、家康が商業港湾都市として整備し、淀川三十石舟など大小の船が行き交う港町として繁栄しました。『伏水(ふしみ)』の名が付くほど豊かな伏流水に恵まれ、このころから酒造りも本格的になりました」



復活した十石舟

 今、「十石舟」が復活している。
「三十石舟の縮小版です。伏見の最盛期には、物資は大阪や堺から伏見まで大きな船で運ばれ、ここで足の早い小舟に載せ換えて運ばれました。数千の船が行き交ったといわれ、3800そうという記録もあります。十石舟は平成6年7月、港の400年祭記念イベントで2そう造りました。年2回、3月後半から5月末ごろまでと9月中旬から11月末ごろまで運航しています。月桂冠大倉記念館裏の宇治川派流から北へ。それから西へ行き、濠川との合流地点から南下して三栖閘門(みすこうもん)に入り、そこで舟を下りていただいて三栖閘門資料館を見学。閘門の展望台にも無料で昇れます。その後、迎えの舟で戻ります。三栖閘門は、今年3月、約70年ぶりに改修され、『伏見みなと広場』としてリニューアルしました」


伏見夢百衆
 伏見夢百衆は月桂冠大蔵記念館から北へ150m上がり、西に入ったところにある。
「大正6年の酒造会社の建物を利用し、案内所、休憩所にしています。伏見の酒22銘柄、約60種類を置いていますが、ここにしかないお酒もあります。喫茶のスタッフも大正時代の衣装です。周辺にも酒蔵を使った飲食店が多く、老舗『鳥せい』、去年開店した『月の蔵人』などが点在します。また寺田家、月桂冠大蔵記念館、黄桜記念館、伏見奉行所跡、御香宮(ごこうのみや)神社があり、老舗料理屋『魚三楼(うおさぶろう)』には鳥羽伏見の戦いの際の弾痕が残っています」
 川、水、酒がテーマだ。どんな街づくりを目指すのだろう。
「街の財産を焦らず丁寧に出しながら、住民と共に『ウェルカム伏見』を目指します。夢工房はその推進役です」

 

    十石舟
  ■運航時間/9:00〜16:00 *約15分間隔で運航
  ■運休日/毎週月曜日
  ■往復乗船料/大人800円、小中学生500円
 
   伏見夢百衆
  ■営業日時/土日祝日のみ 10:300〜18:30

  ■問い合わせ/共に(株)伏見夢工房 075-623-1030