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  名水の中の名水。   <洞川の地図はこちら>
 

洞川(山上川)

 今度は、天川村総合案内所の樋口貢さんに伺った。まずは、洞川地区の水の特徴から。
「洞川地区は石灰岩質の地質で洞窟が多く、そこから水がわき出し、また、周囲の『近畿の屋根』といわれる1500mから1800m級の深い山の中からも水がわき出て来ます。石灰岩質の岩の間を通るため、カルシウムやマグネシウムなどミネラルが豊富です」

 洞川の水が奇麗な証しもある。
「ムカシトンボは水中で8年過ごすといわれ、汚染があれば死に絶えます。ムカシトンボが飛んでいるということは、8年前から水質が維持されているということです。天川村は熊野川の最上流なので、奇麗な水を下流に送るのは私たちの使命です」

 

 


ごろごろ水
 洞川は鍾乳洞と湧き水で知られ、有名な鍾乳洞が二つある。
「面不動鍾乳洞と五代松(ごよまつ)鍾乳洞です。ただ五代松鍾乳洞は今年は閉鎖中です」

 名水「ごろごろ水」が湧き出ている所に来た。洞川湧水群の一つだ。
「『ごろごろ水』、『泉の森』、『神泉洞』の3カ所を総称して洞川湧水群といいます。神泉洞だけは今は飲めない状態ですが、ごろごろ水の『ごろごろ水』と神泉洞の『天の川』は、商品化され市販されています」

 水をその場で飲め、ペットボトルやタンクでくめる場所が整備されている。
「2年ほど前から来る人が増えて渋滞がひどくなり、100 mほど下流に、駐車場と管理塔と水をくむ施設を、洞川財産区が設置しました。300円の協力金をいただいており、くめるのは午前9時から午後6時までです。多くの方に平等にくんでいただくのと、美化に努めていただくためえ、時間内には管理人さんに来ていただいて、順にくんでいただいています」

 飲んでみると、すごく冷たく、のど越しがいい。夏も同じ約10℃の水温だそうだ。名水指定も受けている。
「昭和60年に(旧)環境庁の『名水百選』にごろごろ水、泉の森、神泉洞の三つが選ばれました。また、(旧)国土庁『水の郷百選』、奈良県の『やまとの水』にも選ばれています」 

 “名水豆腐”を軒下でいただく。
 

 山口屋は大人気
 旅館が20軒ほど並ぶ洞川温泉街に名水豆腐として知られる山口屋がある。ご主人の山口正彦さん伺った。
「店は創業90年ほどで、私で3代目です。昔通りの製法を守っています。おがくずで炊いていたのを、今は石油で炊くという違いぐらいです。水は昔から『ごろごろ水』一本です。こっから2km弱、パイプで引っ張ってきています」

 朝来ても、もう売り切れている時もあるほどの人気という。
「今、皆さん電話予約してくれます。一丁270円で、持ち帰りパック入りが2丁で850円です」

 

 


ごろごろ水を使った名水豆腐は絶品
 容器を持って行けば、一丁単位で買える。一丁の大きさは普通の豆腐の倍以上もある。
「大きいですやろ。7〜8人はいけますよ」
 店の軒下でもいただける。「一皿150円」の看板もある。
「昔はしてなかったんですけど、立ち寄られるお客さんが食べてみたいということで始めました。しょうゆをかけて食べるだけやけどね」
 作りたての豆腐を、自然の中でいただくと味が違うはず。早速、作りたての名水豆腐をいただく。ほどよい弾力で“つうっと”喉を通る。他では味わえない。
 

   名水豆腐「山口屋」
  ■販売時間/8:00〜16:00
  ■定休日/毎週水曜日
  ■TEL/0747-64-0509
   *購入はなるべく電話予約の上で




天川村洞川地区で、おいしい水と豆腐を味わった。最後に、御手洗渓谷の遊歩道を歩く。ごつごつした大きな岩が続き、山の間を縫うように川が流れている。さすがに九月末、岩の上に座っていると肌寒くなってきた。