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鈴鹿山系霊仙山(りょうぜんざん)からの、贈り物。
滋賀県米原町に来た。JRの駅名は「まいばら」だが、町名は「まいはら」と濁らない。JR東海道本線で米原駅から東へ一駅の醒ケ井(さめがい)駅近く、丹生(にゅう)川のほとりに来ている。丹生川は天野川に合流して琵琶湖へと注ぐ。この醒井(さめがい)地区は「水の郷」と呼ばれ、わき水が多い。おいしい水を求めて、今日はここを探訪する。



  名水の館、観光の拠点。     <醒井の地図はこちら>
 

丹生川

 JR醒ケ井駅近く、昨年誕生した「醒井水の宿駅」に来た。米原町営の2階建ての施設で、醒井の観光拠点だ。土田快平さんに伺った。
「醒井の名は『居醒(いざめ)の清水』というわき水から来ています。醒井はわき水が多く、七つあります。まず『居醒の清水』で、日本武尊が伊吹山へ大蛇退治に行き、毒による高熱で死にかかったが、居醒の清水で癒やしたという伝説があります。あとは、『十王水』、『西行水』、『天神水』、いぼとり地蔵のある『いぼとり水』、役行者(えんのぎょうじゃ)の『斧割り(よきわり)水』、『鍾乳水』です」

 

 


醒井水の宿駅

 居醒の清水をいただいたら、まろやかだった。
「七つとも水源は霊仙山(りょうぜんざん)水系ですが、わき出る過程で岩や土の間を通り、味や成分が変わります。居醒の清水と鍾乳水はかなり離れていて、全然違う味です」

 醒井水の宿駅はどんな施設だろうか。
「1階には土産物コーナー、和風バイキング、宿場料理のレストラン、軽食、湧水を使う喫茶店もあります。2階にはギャラリー、豆腐づくりやそば打ちが体験できる『湧水体験室』、多目的ホールがあります」

 醒井の見どころも伺った。
「宿場町醒井には地蔵川があります。川がある宿場町は少ないんですが、地蔵川は山から流れて来る川ではなく、居醒の清水という豊富な湧水による川です。今では地蔵川くらいにしかいないといわれる絶滅危惧種の魚『ハリヨ』が生息していて、産卵期には雄がきれいなエメラルド色になります。また、清流にゆれて咲き誇る水中花『バイカモ(梅花藻)』の姿にも感動します」
 

 
   
     醒井水の宿駅
  ■開館時間/9:00〜18:00
  ■休館日/毎週火曜日(祝日の場合は翌日)
  ■入館料/無料
  ■TEL/0749-54-5353

 

   名水で豆腐づくり体験。   
 

豆腐づくりを指導してくださったのは堀居愛子さん

 続いて、水の宿駅で店鋪や催しを展開する(有)居醒の小野徳蔵さんに伺った。
「居醒は、地元の有志44名が出資したまちおこし会社です。宿場レストランの料理やお茶、喫茶店の名水コーヒーなど、すべてに居醒の清水と同じ水脈のわき水を使っています。この水は、鈴鹿山系の霊仙山と呼ばれる大きな山の岩土にしみ込み、百余年の年月を経ていろんな成分を多く含む伏流水となっているため、ミネラル類が非常に多く、おいしくて健康によい名水とされています」


出来上がった豆腐
 2階では豆腐づくりやそば打ち体験ができる。豆腐に使う大豆、水はどんなものだろう。
「大豆は琵琶湖の湖北地方で取れる有機無農薬栽培の豆、水はもちろん醒井の名水です。まろやかでおいしい豆腐が出来ます。海水から取った天然のにがりも使っています」

 堀居愛子さんに豆腐づくり体験をお願いした。1丁に300gの大豆を使う。
「14〜15時間つけていて、2倍以上に膨れあがっております」

 大豆がミキサーにかけられた。
「これを沸騰させた後、とろ火で5分煮て、温度を75℃にします。80℃以上になると、大豆の組成が変わってまずくなります。その後、にがりを入れて固めますが、あまり高温だと固まりにくく、おいしさもなくなります」

 出来たてのゆばは本物の味だ。出来たての豆乳もおいしい。こんなのなら毎日飲みたい。
「血液がサラサラになります。大豆製品はとくに女性にいいんですよ」
 半時間ほど水にさらし、豆腐が完成した。大きさは普通の3倍はある。これぞ豆腐。大豆の味がそのまま豆腐になっている。




   豆腐づくり体験・そば打ち体験
   ■体験料/1人800円
   ■予約/3日前までに5名〜40名程度の単位で
    *1人の場合は毎月第1土曜日・第3金曜日限定
   ■TEL/0749-54-8222