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仏教を運び、銘酒とそばを生んだ川。
奈良県桜井市、三輪山やそうめんで知られる三輪に来た。JR桜井線の三輪駅と桜井駅の間、線路と大和川が交わる辺りだ。この辺りの大和川は、地元では「初瀬(はせ)川」と呼ばれている。今日は雨で流れが激しいが、普段は緩やかに流れる川だ。



   地の米と水が生んだ銘酒。    <大和川の地図はこちら>
 

大和川
 JR三輪駅から南へ。大和川まで出る途中にある「今西酒造」に来た。創業214年。北東には三輪山を御神体とする大神(おおみわ)神社がある。大神神社は酒の神、三輪は酒造りの古里だという。専務取締役の今西祥司さんに伺った。
「万葉集で、額田王が『味酒三輪乃山青丹吉(うまさけみわのやまあおによし)』と詠んだように、味酒は三輪を象徴する言葉です。今、桜井市内に酒蔵は2軒だけ。20年ほど前までは十数軒ありましたが、杜氏が高齢化して、杜氏がいなくなって酒を造れなくなった蔵もだいぶ出てきました」

 

 


今西酒造

  今西酒造の杜氏の中村裕司さんは、驚くほど若い。
「31才です。杜氏の平均年齢が60半ばなので、かなり若い方です。杜氏さんが集まる機会があると、後ろの方でお茶くみしています」

 銘柄の「三諸(みむろ)杉」はどんなお酒だろう。
「吟醸酒、純米酒、本醸普通酒、原酒、生酒があり、吟醸酒には大吟醸、特別大吟があります。特徴は、今主流の端麗辛口ではなく、濃厚芳醇なタイプで料理に負けないお酒、夏冬問わずおいしいお酒を目指しています。ある程度酸味があって、飲み飽きないお酒が理想です。『地酒』は地の米と水で造った酒だと思っていますので、酒米は奈良県産の『露葉風(つゆはかぜ)』を使っています。一時作られなくなり、復活米として契約農家に作ってもらっています。水は三輪山の伏流水。ミネラル分の多い硬水のため、発酵がスムーズで旺盛です。味が出て、芯が通った奇麗なお酒になります」

 

 


リキュール「雷来」
 新しいタイプのお酒、日本酒がベースの発泡性リキュール「雷来(らいらい)」もある。
「奈良県工業技術センターと共同で造りました。第二弾が『雷来スウィート』で、米こうじとカテキンで発色させたピンク色のお酒です」

 そう説明してくれた今西さんは、大和川(初瀬川)の思い出を語ってくれた。
「小さいころは川で魚を取り、いかだを浮かべたり、たまに泳いだりして遊びました。今はダムで水量が減っているのが現実ですね」


   今西酒造株式会社
  ■TEL/0744-42-6022