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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知って欲しい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2005年12月3日(土)放送

先週から2週にわたり、座談会形式でお送りしている大阪の発展のための討論会。今回は、後半です。さて、ご参加いただいた6つの団体メンバーの方が見いだした大阪の町づくりや町おこしの方向性とは?

収録写真メイン




●座談会後半(前半の放送はコチラ


松本:地元の地域で町おこしや町づくりを手がけていらっしゃる6人の方に、そのパワーを大阪全体の魅力アップにつなげていくことはできないか。大阪の“町力(まちぢから)を発揮するには何をしていったらいいかなどを先週話し合っていただきました。

谷口:町おこしを推進するにあたっての悩みなどがあれば教えてください。

六波羅:目的が何かということ。観光客を呼ぶのが目的ではありません。住み良い住空間をつくりたい、そのために空堀の古い町並みを残すにはどうすればいいか、ということから『からほり倶楽部』ができたわけです。古い長屋を再生して新しい店が入る。だが、アメリカ村のように全くの商業地域をめざしているわけではありません。空堀や周辺地域の歴史や文化もきちんと紹介しようという目的の先に、「直木三十五記念館」や長屋の再生があります。住民にスポットをあてるか、観光にあてるかで大きく変わってくると思います。

水知:町の住人と、町を訪れる人とを分断してしまうのではなく、融合させることが必須条件だと、私は考えています。大阪の活力というのは、生業(なりわい)の力。生活している中で文化が生まれ、歴史が作られて来た。都市部に定着と回帰と言っているのは、住んでいる人たちを阻害しても、来る人を阻害してもだめ。その架け橋をどうするか。

六波羅:わかりやすく言うと、この座談会の場に集っているのがそれぞれの町の住人の方で、お互いの地域のことを聞いたり、自分たちの地域のことを話したりするというのが、私たちの理想です。私たちはきっかけを作っているに過ぎないのだと思います。

松本:番組でこうした場を設けたのがきっかけになって、横の広がりや住民の方々との広がりができたりして、次の活動のステップに生かしていただければ、我々としてもうれしいです。最後になりましたが、一言ずつ言い残したことをお聞かせください。

林田:私たちは平林を、職と住・遊のすべてが整った魅力のある町に育てていきたいと思っています。どの地域にもその地域特有の資源があると思いますが、その資源をぜひ資産に変えて、活動につなげていただきたい。そのためにも、今日お集まりのみなさんも含めて、地域の活動に取り組んでいる人たちみんなでネットワークを組めるようなものをこれからは作っていく必要があると思います。

松本:『からほり倶楽部』の六波羅さん、お願いします。

六波羅:それぞれに個性のある町を見ることで、自分たちの違いや特性もわかってくるのだと思います。そうした自分たちの町の特性に住民がめざめた時、私たちの活動は必要なくなるのではないでしょうか。私たちの究極の目的は解散することにあると思っています。

松本:なるほど。『三休橋筋愛好会』の篠原さんは、どうですか。

篠原:それぞれの地域の歴史や文化、個性をいかにうまく活用して、それぞれの町らしい町づくりを進めていくことができるかが一番大事なことと思います。そのためにも様々な形で連携が模索されつつありますが、それぞれの立場や特徴をきちんと理解しながら上手に連携をしていく仕組み作りはとても難しい。難しいけれども、とても大事なことだと最近感じていました。今日集まったメンバーで、それぞれに役に立つような何かを作り出すことができたらと思います。

松本:『大阪・九条下町ツアー』の谷口さんは、いかがですか。

谷口:篠原さんと同じ意見です。それぞれ目的は違っても、最終的に大阪を良くしようという気持ちは同じだと思います。そういう意味でも、今日をきっかけに取り組めるところから早速取り組んでみませんか。九条にも長屋がたくさんありますが、残念ながらどんどんつぶれていっています。六波羅さんに見学していただいて、「ここはこうすればいいんじゃないか」というアドバイスがいただければありがたいですし、水知さんにも講師になっていただいて、『九条下町ツアー』を「なにわ堀江」まで拡大してご案内していただくとか、そういう身近にできることから手を携えていくことが大きなポイントになるのではないかと思います。

松本:『なにわ堀江1500』の水知さん、いかがですか。


水知:最近、蘇我入鹿の屋敷が発掘され“大化の改新”が脚光を浴びていますが、大化の改新は、実は「なにわ」の起源です。難波の都は、大化の改新直後から造都がはじまってできた都です。難波の都は中央集権国家の最初の都として、京都や奈良よりも古い歴史を持っています。京都は遷都1200年と胸を張って、宣伝しているけれど、難波には1500年もの歴史がある。この1500年の歴史をどうして利用しないのかということにこだわり続けています。空堀や上町台地から阿倍野、西へ延びる九条につなぐ流れを再構築すれば、大阪は必ず復権します。ぜひ使いましょう。

松本:『天王寺21協議会』の熊谷さんは、いかがですか

熊谷:「大阪を描こう展」が10回目の公募を行っています。高齢化社会の流れもあって、様々なカルチャー教室に通っている方が多いのですが、発表の場がありません。そうしたことから、この展覧会をはじめて10年になりますが、人気、内容ともに年々上昇を続けています。この現状も合わせて考えながら、大阪に住む人がどんどん増えるような魅力ある町づくりにするには、それぞれがかかわっている地域の良さ、私でしたら上町台地の良さや魅力をアートを通じて訴えていきたいと思っています。

松本:これからの具体的な活動についてお伺いしたいと思います。
『平林フォーラム』の林田さん、お願いします。


林田:南港通から南港大橋の手前までの約300メートルにわたって、その間の事業所に協力してもらいクリスマスイルミネーションを展開します。昨年から取り組みはじめたのですが、毎年、少しずつ距離を伸ばしてできれば1キロぐらいにわたって仕掛けていきたいと思っています。12月20日には、平林の貯木場に浮かんでいる“平林フローティングハウス”という実験の家でクリスマスコンサートを開催します。今年の5月22日に開催し好評を博した「第1回木に触れよう平林祭り」の第2回目を来年5月か6月に開催します。活性化の発端になった祭りですので、毎年続けていきたいと考えています。

松本:『からほり倶楽部』の六波羅さん、お願いします。

六波羅:古い建物を再生して商業施設にしているものに、“練”や“惣”と名付けているものがあります。12月23日から25日にかけて、昔の日本文化を伝える古い建物を舞台に、和のクリスマスとして雅楽コンサートなどを開催する予定です。“惣”にはしめ縄屋があるので、しめ縄でクリスマスツリーを作ってみようという計画もあります。

松本:『三休橋筋愛好会』の篠原さん、お願いします。

篠原:先月のイベントの紹介ですが、この番組に以前出演された『大阪ええはがき研究会』と共催で、三休橋筋全体をギャラリーに見立て、22店舗に協力いただき三休橋筋の魅力を発信する絵はがき展を開催しました。三休橋筋を歩いて、三休橋筋の魅力を知ってもらおうというイベントで、お店の方ともつながりができました。地元の人たちとのつながりをこうしたイベントを通じてどんどん広げていけるよう、来年も同じような形で何かイベントを企画するつもりです。

松本:『大阪・九条下町ツアー』の谷口さんは、いかがですか。

谷口:ハードよりハート。心のおもてなしの九条下町おもしろウォーク、本年の最終は12月17日に実施いたします。まだ計画段階ですが、来年3月に水の都のシンボル“渡し船”を歩きながら全部乗ろうというツアーを計画しています。また、「大阪ミステリーウォーク」と銘打って昭和レトロの町の魅力再発見ツアーも企画しています。ローカル電車、下町芸人、歌声喫茶、長屋をキーワードにする予定ですので、どの地区へ伺うかはわかりません。もうひとつ、私の本業に関係しますが、観光ボランティアガイドの養成講座を3月ごろにやる予定になっています。

松本:『なにわ堀江1500』の水知さんは、どうですか。

水知:「なにわデジタル紙芝居」に取り組み始めて、すでに2年になりますが、さらに2、3年かけてより完成度の高い「なにわデジタル紙芝居」を作成していきます。活字離れした子どもたちにも遊び感覚でインターネットを通じてなにわの1500年の歴史を身につけてもらうというのが狙いです。『堀江ジャンクション』というアート支援団体と共同で「堀江エコミュージアム」を3年前から開催しています。堀江全体をミュージアムに見立てて様々な取り組みをしています。今年は、江戸時代末期の文人、簾葭堂(けんかどう)を軸にした「かるた」を制作して遊ぶ企画ををつくっています。3年目になるので、専門家を招いて12月にフォーラムを開催し、これまでの成果を見ていただいて今後どう取り組んでいけばいいかを検討したいと考えています。

松本:『天王寺21協議会』の熊谷さん、お願いします。

熊谷:ここにカレンダーがありますが、これは「大阪を描こう展」の会場で投票いただいた中から選ばれた12枚の絵でつづったカレンダーです。このカレンダーを差し上げたり、一部チャリティで売ったりしています。「大阪を描こう展」の現在の主催はライオンズクラブですが、私たちは後援という形で支援しています。また、天王寺と阿倍野と共同で開催しています「絵てがみ展」も、今年で4回目になりました。各地域の商店会から百貨店、地下街の広場などを巡回する展覧会です。こうした絵手紙や絵はがきを印刷して販売したり、マップに利用したりして、単に展示だけで終わらせないよう取り組んでいます。「大阪を描こう展」は、来年1月12日から上本町の近鉄百貨店で1週間開催しますので、ぜひご覧ください。




松本:先週に引き続き2週にわたって収録しました座談会の模様をお送りいたしました。こうした企画を通じて新しいアイデアが生まれていってほしいと思います。また、こうした企画をどんどんお送りしたいと思いますので、どうぞお楽しみに。



『からほり倶楽部』
代表
六波羅雅一(ろくはら まさかず)さん

『三休橋筋愛好会』
篠原祥(しのはら やすし)さん

『平林フォーラム』
会長
林田元宏(はやしだ もとひろ)さん

『NPO法人なにわ堀江1500』
代表理事
水知悠之介(みっとも ゆうのすけ)さん

『大阪・九条下町ツアー』
主宰
谷口靖弘(たにぐち やすひろ)さん

『NPO法人天王寺21協議会』
代表理事
熊谷晃一(くまがい こういち)さん



今後もこのような座談会を増やして
大阪の活性化に協力していきたいですね

様々な意見や主張が
大阪再生につながればうれしいですね




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